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広島の郊外 : 福山(2)


広島の郊外 : 福山(1)

福山城に神社仏閣、歴史の趣を残す駅の北側とは違って、駅の南側は新旧入り乱れる、少し不思議な雰囲気をしています。高層マンションの裏側に、昭和30年頃と何一つ変わっていないような小道が走っていたり、そんな街並みです。

RIMG1152駅を出て左側には市役所があるんですが、その周辺は完全に再開発地域ですね。僅かに電波塔付近の一角を残して、すっかり綺麗でさっぱりした街並み(街並みと言うよりは道路と建物)になってしまいました。
まぁ便利なのは便利なんでしょう。通りすがりの私にとっては、興味の無い通りです。

一方、駅の東側はまだ十分に余韻と言うか、街並みとしての雰囲気を残しています。駅から数分歩いた所に天満屋があり、駅と天満屋の間には喫茶店や煙草屋、洋菓子屋、フルーツショップ、などが並び、天満屋の裏手からは長い長い商店街が続いています。
この商店街ってのが、本当に長いんですね。アーケードのある部分、無い部分とあるのですが、寂れていたり、シャッターが下りていたりという区画がある一方、ずらりと買い物客の自転車が並んでいるような場所もある。
広島の商店街では最も魅力の在る商店街だと感じました。ゆっくり一日かけて回っても、まだ回りきれないぐらい。ヤマタノオロチ的商店街です。


この商店街を見るだけでも、如何に戦後の福山が栄えていたか、活気ある街だったかがよく分かりますよ。それも貧弱な商店ばかり、というのではなく、呉服屋さんがあって、和菓子屋さんがあって、テーラーがあって、帽子屋があって、散髪屋があって、煙草屋があって、と、生活必需品だけでなく、嗜好品を売る店舗が多かったことからもよく分かります。
残念ながらその大半がシャッターですけどね。福山に限ったことではないですが、貧しくなったもんです。

RIMG1155 RIMG1160
(駅前の天満屋、その前でも街並みが壊されている。一方東側はまだ普通の路地が普通の路地として残っている)

RIMG1161 RIMG1162 RIMG1164

RIMG1168 RIMG1171
(シャッターの閉まった商店街に往年の栄華がかすかに残る。アーケードなどは本当に立派)
.

街の雰囲気としてどこに似ているか、と尋ねられれば、やはり尾道ということになるだろうか。実際に福山と尾道というのは車でも二十分程度で、広島市を物差しにすればはるかに近い。共に、鉄鋼、造船といった二次産業で栄えた所も似ているし、その線で言えば、全国どこもそういった街の雰囲気にはどこか通じるものがあって、例えば北九州なんかもこれに近い。(現状も、また類似)
呉も本来はそうなんでしょうけどね。こちらはなぜかちょっと雰囲気が違う。

さて、そういった街で栄えるものと言えば、商店街以上に、酒場・風俗街、ということになる。
実際、福山でもニョロニョロのびる商店街をどうにかこうにか南に向かって歩けば、その切れ端(国道とぶつかるところ)は左の写真の様になっていて、よく見ると右下になるほど、と思わせる広告が出ていたりします。RIMG1176
しかしまぁこの風景、なんとも味のある風景ではないですか。ちょうどこの国道あたりから、バラ公園までの広大な地区が、夜の福山街ということになります。

このような飲み屋街の好き嫌いは別にして、一般の人が住宅に望まない地区であることは相違ないんでしょうね。見事なまでにマンションが無く、従って新しい商店も無ければ、コンビニすらほとんど見かけない。縄張り何だの前に、土地の活用方法が無いもんだから、店が寂れてきても、そのまま風情が残されていって、結果的に不便な商店街の奥地と、この夜の街が最もかつての栄華を残した街並みを見せてくれています。
もちろん、昼間ふらふら歩いたって、別に怒られるわけでもないんで、街並みに興味がある方は是非行ってみて欲しいですね。流川なんかよりも数倍情緒豊かな景色です。

特にいいのが、古い建物ですね。モダンと言うのか、オシャレと言うのか。昔は連れ込み宿みたいなものだったのかも知れないですが、今は違う会社になっていたりとかして。角の作り方なんかがとても美しい。最近はデザインに凝った雑居ビルなんてものを見かけることは稀になりましたが、その辺りにも、かつての金回りのよさと街のプライドが垣間見れます。

RIMG1177 RIMG1180

RIMG1178 RIMG1179
(建物の一つ一つが凝っていて、また看板に愛着を感じる。表現として好きではないが、まるで映画のセットの中に迷い込んだような気すらする)
.

老朽化してる建物もポツポツあって、遅かれ早かれこの街も縮小していくと思います。実際に、最盛期と同じだけの客がいるとは思えないし。
そうして、商店街、夜の街と通った先に見えてくるのが、バラ公園。まさにバラ公園とは、そういった場所の南端に位置しているわけで、なるほどなぁと思います。

次回はそのバラ公園から。今度は進路を西にとって芦田川に向かいましょう。

⇒ 広島の郊外 : 福山(3) へ

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広島の郊外 : 福山(1)


少し前の話になるんですが、バラの街、福山を訪れました。
恥ずかしながら広島で生まれ育ったにも関わらず、物心ついて以降、この駅で降り、この街を歩いたのは初めてのことだったんです。

RIMG1109福山は広島市から新幹線で三十分弱(!)。岡山との県境に位置する人口が五十万人弱の、広島県第二の都市です。基本的には二次産業の街。鉄鋼、重工業ですかね。JFEさんと三菱さんが双頭でしょう。
山陽道の要所にあって、広島というよりはもう岡山県に近く、それは地理的な問題だけじゃなくて、文化的(言葉や食べ物)及び、それを育む気候・風土的にもそうらしいですね。最近だと鞆の浦が話題になったりして、結構観光で訪れた人もいるかもしれません。

しかしながら、私は鞆の浦とは全く関係なく、街並みの美しさに興奮しましたよ。それは広島や呉では(ごく一部の消滅確定区画を除き)とうの昔に失われてしまった街並みであって、心揺さぶられること甚だしい、通り、看板、建築、アーケード、そんなものたちです。

稚拙な当日の日記の書き出しを読むと、十分にその興奮が伝わってきます。

「福山という街にやってきた。瀬戸内からからやや引っ込んだ場所に在る、やや左手に芦田川を抱えた街である。
この街、金沢までとは言わないが、西方の会津と呼ばれる資格が十分に在る街であった。実に勿体ない。残された街灯の意匠、看板の色使い、ドブ板と小さな庭、ため息が出る程に美しい街の欠片が淘汰されつつ、遺棄されつつ、ひっそりと生き延びている。それは感動的な景色であるが、所々に西日本特有の大らかさを感じさせてくれる。まだ半数以上の商店は営業している様だった。心よりエールを送りたい。」

なんてね。

RIMG1152福山って街は、多くの街同様、3つの地域に分割されます。まず、向かって駅(山陽線)から北側。城や神社仏閣の残される、江戸時代の面影残る地域。
続いて、駅から南東側。路地横丁、寂れたアーケードに花街、街角のタバコ屋が残る昭和の街並み。
それから駅前から南西側を中心とした、大きなマンションの並ぶ平成の街並み。そこからさらに西に抜ければ芦田川が雄大な水面を輝かせているし、南に抜ければ工場地帯に入っていくんですが、市街地としては、まぁ3区画。

新幹線降りて、まずは北に向かいましょう。
北口を出てまず目に付くのは、お城、じゃなくて、ヘンテコな石碑。でぇぇぇん、と、”防ごうシンナー覚せい剤”などと書かれた石碑が立っているではないですか。
そんなことで止める奴も居ないと思うが、むしろ、どんな物騒な街なんじゃ!と不安に思う観光客は居ないのだろうか。などと思いつつも、ユーモア溢れるその石碑を見てみぬ振りして進めば、今度はちゃんと左手に城が見えてきます。

福山城は、天守閣こそこじんまりとしてるんですが、その姿、素朴で実に美しく、又、石垣、木々他、総体として立派な城だなぁ、という感じ。サイズ的には地方都市のものですが、改築・修繕も過度じゃなくて、会津の鶴ヶ岡城や愛媛の松山城なんかと比べても、茶室が足りないぐらいで、代わりに浴室があります。浴室の中が見れないのが残念(変な意味じゃなく)。
季節にもよりますが、手入れが行き届いていて、美しい木々と共に楽しめる、素敵なお城だと思います。

RIMG1108 RIMG1116
(駅前の物騒な石碑と、シンプルに美しい福山城)
.
RIMG1117 RIMG1121
(茶室に見えるが実は浴室。場内の手入れは丁寧にされている印象)
.

城を下り、北に向かえば神社仏閣の街並みが見えてきます。結構な数あって、その数がかつてのこの街の繁栄を示してると言っていいでしょう。小川というか、水路が横切っててね。柿の実の生る美しい道なんですが、その保存が十分でないのが実に勿体ないです。所々に一般の新しい家が建っているのがちょっと・・・。しっかりと保全すれば松本辺りと同等の景色道になるのに、と思わないでもない。

そうそう、福山といえば、水球が盛んな街でもありますよね。今はちょっと知らないけれども、20年ぐらい前は、そういうイメージがあった。実際、お城からちょっと北に上ったあたりには水球場があったりする。今は使われて無いかもなぁ、って感じでしたが、どうなんでしょう。

神社仏閣も結構立派ですよ。尾道なんかに比べると、お寺さんはちょっと劣るかな、って感じですが神社は幾つもあって、そのどれもが中々に立派です。
その他、公園があったり、博物館があったり。まぁそんなのはどうだっていい。
お城から神社(福山八幡宮)のある辺りまでは、春や秋の散歩にはもってこいです。ちょっと多めに写真を掲載しますね↓

RIMG1127 RIMG1128

RIMG1134 RIMG1135

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RIMG1143 RIMG1139

次回はガラッと風景を変えて、駅の南側に行ってみたいと思います。
時代は一気に飛んで昭和。戦後の二次産業全盛期。栄華の残り香を嗅ぎに行きましょう。

⇒ 広島の郊外 : 福山(2) へ

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広島の郊外 : 中筋


前回取り上げた古市から歩く事5分。安川を越えて東に渡れば「中筋(なかすじ)」と呼ばれる場所に出ます。
もちろん焼肉屋の話じゃなくて広島の話です。
アストラムラインの駅で言う所の古市の隣駅です。

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中筋というのは正式な由来は知らないですが、恐らく太田川と安川に挟まれた中の筋、という意味なんじゃないかな。実際に地図を見てみると、丁度そんな形をしています。
祇園新道を背骨にして太田川に向けて腹を突き出している感じですね。

より大きな地図で 広島の街 を表示

古市から中筋に入っていくと、家々が大きくなって、道路も、スーパーも、畑も、全てのスケールが一回り大きくなったなぁ、という印象を持ちます。
もともと古市が街であったのに対して、中筋は畑の多い、言わば古市の郊外だったので、まぁ当然といえば当然なのですが、そもそも安川を渡って直ぐにある安佐南区図書館にしたって、安佐南区役所より大きいですからね。立派な建物です。

RIMG0693  RIMG0694
(緑美しい安川の風景。奥にはアストラムラインが入り、脇には結構立派な安佐南区図書館が立つ)
.

中筋というと、小学校を中心に、まぁ所謂ちょっとした郊外の集落、という感じだったと思います。
と、言うのは、やっぱりこの辺りは祇園新道、そしてアストラムラインができて全然イメージが変わった。伏線としては山陽自動車道の広島(緑井)インターの建設がありますよね。
この3つがそろった事で、中筋は一気に市内中心部と郊外との「交通中継地点」としての要所になりました。
実際、バスセンターから出た広島空港行きのバスが途中で止まるのは、アストラムライン中筋駅のバスターミナルです。

これは中筋にとっては良かったり悪かったりですよね。
隣の古市の落ち着き具合と比べると、よく言えば活気があり、悪く言えばなんだか落ち着かない街になってしまった。便利さで言えば古市より便利ですよ。もちろん。あとは好き好きでしょうね。

RIMG0697  RIMG0698
(アストラムラインが頭上を走る祇園新道と、中筋駅傍のバスターミナル。通学・通勤時を除いてバスを待つ人はあまり見かけない)
.

中筋も祇園新道から離れて太田川にてくてく歩いていくと、あまり雰囲気は変わってませんね。新道沿いにはマンションが多いですが、小学校を超えると段々一軒家と畑、という感じ。水路がいくつか走ってて、色んな作物があまり大きくは無い畑で育ってる。
この辺りは道が真っ直ぐじゃなくてくねくね曲がってるから車だと走りづらい。自転車が結構多くてね。曲がり角は気をつけて歩かないと危ない。地名で言うと東原とか東野とかになるのかな。たぶん古くから住んでらっしゃる人が多いんだと思います。

中筋も祇園新道辺りはアストラムライン開設ぐらいをピークにある種の土地バブルでしたからね。新道付近の方は多くが手放すか、マンション・ビルに建て替えられたんじゃないでしょうか。
古市と比べると結構風景にギャップがあってナルホドなぁと思います。古市もまた、旧国道、バイパス、と住居の按配に波がありますしね。

RIMG0699  RIMG0701
(中筋小学校。新築のマンション(写真左手)の直ぐ裏を水路が走り、対岸は畑)
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(季節柄ビニールハウスにはヘチマがなっていました。立派なヘチマ。新道付近に残る古くからの家の畑の向こうにはマンションが建つ。この辺りではよく見かける風景)
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広島高速が広島東インターに延びたことで、中筋は難しい立ち位置になりましたよね。
アストラムライン延長計画も先が見えないし、変わらず便利な事には間違いないけれども、将来性をかっていた方にとって見ると、というのはある。
個人的には、近々、ソレイユに続く、郊外型の大きなショッピングセンターができるとしたら、この辺りなんじゃないか思っています。

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広島の郊外 : 古市


広島駅から可部線に揺られること20分。単線のため、途中、三滝駅ですれ違いを待ってたりして、のんびりと家々の脇をぬけて走っていけば古市橋という駅に着きます。

古市、というのは名前から何となく連想されるとおり、言わば宿場町的な場所ですね。可部街道(旧国道54号線=国道183号線)沿いに栄えた、広島と安芸高田との広島市内寄りの中継地点の様な場所です。

RIMG0684  RIMG0683
(古市橋の駅舎と可部線線路)
.

一見のんびりした可部線の駅の中でも、古市には往年の名残が残っていて、まず駅を出て直ぐに車やバスの行き交う可部街道があり、ひっきりなしに車が行き交います。建物はそれまでの可部線の駅とは少し風情が異なり、街道を前提に作られている、といった風情。RIMG0704
それを過ぎてもう少し進めば安佐南区役所が見え、その裏手が太田川の支流である安川で、駅の名前の由来にもなった橋を渡れば、現代の交通中継地点である中筋になります。

 ちなみに「安古市」という呼び名は「安川」と安川に注ぎ込む「古川」という二つの川の合流地点に立つ「市」から、きていると言われています。
ちょうどこの左の写真にある場所ですね。左が安川。右が古川です。この辺りは緑がとても美しく、瀬野川よりは解放的というか、のんびりした印象ですね。
「安古市」というのは行政上の地名としては今は存在して無いんじゃないかなぁ。その割に「安古市店」というのは今でもしばしば見ます。
何れにせよ、安佐南区の中心地ですね。

安佐南区というのは何か無理矢理作って広島市に吸収してしまった様な印象を持つ方もいらっしゃるでしょうが、実は古市や、その北にある大町あたりを中心に、かつては広島市よりも先に街が形作られた、と言われています。まだ、広島の中心が安芸高田にあった頃ですね。
その頃の風情はもう失われてしまい、今はただ街中に流れる水路にだけ、その栄華の欠片を見ることができます。

RIMG0685  RIMG0686
(古市駅前の風景。可部街道とは別に支流ともいえる安川通りが走っている)
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RIMG0690 RIMG0691
(古市の街を抜ける水路。家に入るための橋がいくつも並ぶ美しい風景。古市を中心に安川の周辺には水路が多い)
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古市で印象的にあるのは「メガネの三城」さんですかね。有名な眼鏡屋さんで可部街道沿いにあって、何だか不思議な外見でした。今見ると、あぁ普通の郊外店かな、って思いますが、当時は異様な外見に見えましたねぇ。今でもメガネの郊外店というのはあまり多くは見かけませんが、当時は特に無かったですしね。

それから可部街道を走るのはオレンジ色のバスなんです。
これは可部街道に限らず、市内北側に向かうバスに多いんですが、可部方面を主戦場にしている広島交通さんのバスの車体の色ですね。広電の緑、広バスの赤、それに広交のオレンジです。
今となってみれば、紫にしとけばよかったのになぁ、と思いますが、祇園新道(54号線)アストラムラインに負けず、元気に営業中です。私の抱く、古市の色ですね。

RIMG0705  RIMG0688
(メガネの三城さんと可部勝木に向かう広島交通のオレンジ色のバス。共に旧54号線)
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何で紫かって?
安佐南区にプロチームができたのはもう10年以上の事。毛利元就にちなんで、「サンフレッチェ」と名づけられたそのサッカーチームの本拠地、広域公園ビッグアーチがあるのが、安佐南区。そう。サンフレッチェがあるのは中区でも西区でも東区でも南区でも無く、安佐南区なんです。

実際、古市にある安佐南区役所に行くと、はっきりと横断幕でそう書いています。
地元の人々がどこまでそのことを嬉しく、誇りに思っているかは分かりませんが、もっともっとその事を大切にしていったらいい、と思います。何でもかんでも中区・東区あたりでは面白くないですから。
広交さん、どうでしょう?紫のバスを走らせてみませんか?

RIMG0689  RIMG0692
(旧54号線と安川の間、落ち着いた場所にある安佐南区役所。右の写真中央左の紫の垂れ幕にはサンフレッチェのホームタウンであることが書かれている)
.

ちなみに、可部街道、と書いてきましたが、多くの広島におる人は、この道を旧54号線、と呼びます。祇園新道が国道54号線に昇格する前、この可部街道が54号線だったころの名残ですね。
183号線、という呼び名は、聞いた事がないなぁ。

尚、駅前を走る県道277号がさらに古い国道。つまり、国道は次第に東へ移っていったわけで、古くからいらっしゃる方は県道を旧国道、可部街道をバイパス、と呼ばれたりもします。

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広島の郊外 : 倉橋島


市内から車で一時間あまり。瀬戸内に浮かぶ比較的大きな島です。
呉まで一旦出て、音戸を渡って、グルグルと回って橋を降りたところ、左に行けば江田島、という三叉路を右にまがるとやがて倉橋島に入ります。


より大きな地図で 広島の街 を表示

結構広い島なんですけどね。国道487号線沿いに走って行って、島の南半分にでるといいと思います。お隣の早瀬大橋まで行ってしまって南に下るルートでも行けます。
火山と呼ばれる山を横目に車を走らせ、島の南側の海に着けば、桂浜の海水浴場が見えてきます。高知土佐の桂浜を思わせる松林の美しい海岸で、規模は大きくないですが、美しい海水浴場があります。

海水浴場にはキャンプ場が併設されていたり、直ぐ通りを渡れば温泉があったりとそれなりに施設が揃っていて、脇の小高い丘の上に神社があったり、風光明媚というのかな、なんていうか、懐かしい海水浴場です。
当然、周囲にコンビニなんてものは無いので、キャンプをされる方はちゃんと買い物をしていってくださいね。
シャワーなど、水周りは揃っています。

場所柄結構市内から遠く、行きづらいからかそんなに大混雑、という事にはならないんでしょうが、広島近隣の海水浴場では一番施設としても整っている場所の一つでしょうね。
この先の蒲刈も美しい海水浴場がありますが、負けず劣らずです。

2011072417200000  2011072417060000
.

この辺りは神話的世界が広がっているらしく、伝説が一杯残る場所です。
実際には平安後期から室町時代にかけて栄えたようで、ちょうど平清盛の時代でしょうかね。宮島と共に海運路が開発され、賑わっていたようです。
その後も明貿易なんかで栄えたものの、瀬戸から日本海、果ては東シナ海にかけて隆盛を極めた海賊の勢力下に置かれ、江戸時代に入ってからは江田島の方が賑やかになったんだと思います。きっと、船の性能が上がって、音戸を迂回せずに突っ切れる様になったからでしょう。
音戸を迂回すれば必然的に倉橋桂浜で一服、となるんでしょうが、音戸をつっき切れれば江田島に寄るかして直ぐに広島市内に向かって行けますからね。

今でも桂浜とその周辺には神社が数多く並んでいて、その他木像・銅像・石像、祠・石・水など由緒があるんだか今となっては分からない神話の残り香が其処彼処に残っています。
夏じゃない季節にそれらをゆっくり巡るのもそれはそれで楽しい。夏は、ちょっと暑いですね。

関係ないですが、桂浜の砂はキュっキュっと鳴るような細やかな砂ではなく、ちょっとざらついて足の裏が痛いぐらいの粗暴な砂です。慣れればそれはそれで自然な感じがしていいもんです。

2011072417050000
.

桂浜も実に神話的な風景ですが、そこからさらに車を三十分ほど走らせれば、鹿島と呼ばれる、倉橋島の先に突き出た小さな島があります。
広島県でも最南端ということになるのかな。今でこそ立派な橋でつながっていますが数十年前までは孤島の様な場所だったに違いない。海辺に出れば、かつて海賊も、神話世界の神々も、或いは戦争に出て行く前の若き将軍達も眺めたに違いない瀬戸の穏やかな景色が一面に広がります。
程よく晴れた日の夕暮れになると、瀬戸の夕凪、風が完全に止んで、波は穏やかに打ち寄せ、霞みがかった倉橋の山々の緑が夕日に照らされます。波はキラキラと輝き、透明度の高い海の中では魚達が夕飯を求めてゆったりと泳ぎ回る。
現代に神話的風景があるとすれば、恐らくはこの風景がそれであろう、という風景。
江戸末期に日本を訪れた西洋人の冒険家が、瀬戸内の風景は世界で最も美しい、と絶賛した風景。
鼻に優しい汐の香りと、耳を和らげる波の音。遠くで聞こえる犬の遠吠え。時折、かすかにそよぐ風。

もう時期夏の暮れがやってきます。
長袖のパーカーでも手に、神話の世界に出かけてみてください。

(あまりの美しさに写真を撮ることすら忘れた風景でした)

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広島の郊外 : 尾道(3)


⇒ 広島の郊外 : 尾道(1) へ
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商店街を抜けると雨脚が酷くなってきましたが、頑張って坂を上るとしましょうか。

尾道と言う街は商店街を中心に何処を南に折れても海にたどり着き、北側にある何処の坂を登っても寺にたどり着きます。
中でも最も有名なのが千光寺です。

千光寺とその後ろに広がる千光寺公園からの風景は、まさに尾道を代表する風景。
眼下には狭い路地の這いめぐらされた狭い街が、その向こうに瀬戸内海と尾道大橋が見え、先には向島が。晴れていればさらに向こうに因島と四国は愛媛県を望むことが出来る、まさに絶景です。

RIMG0150

尾道の坂はその街のサイズから想像される以上に厳しく、特に千光寺に関してはロープウェーも運行しているぐらい、険しい石段の先にあります。

細い石段からはさらに毛細血管の様に路地が延び、古民家が旧市街よりはゆったりとした敷地の上にひっそりと立っています。
広島の人 : 豊田雅子で紹介したような古民家の在る風景とは、つまりはそういった場所です。
不規則に続く階段と、左右非対称に伸びる路地。猫が佇み、ゆっくりと強い風が抜けていく、そんな場所ですね。
雨の日ともなると、さらに歩いて登るのは一苦労です。広島弁で言う所の「ナンギな」とか、「ヤネコイ」坂道という感じ。ただ実に風情があって、やっぱり歩いて登った方が上についた時の景色が一層際立ちます。首筋にかいた汗が風で冷やされるぐらいの季節が丁度いいですね。

あぁ、尾道では毎年秋に尾道灯りまつりと言うのが開かれます。
その時が最も幻想的です。狭い街に結構多くの人が訪れますが、一見の価値はあります。
街の中心部も素晴らしい景色ですが、やはりこの細く長い坂道が最も風情があっておススメです。

RIMG0141  RIMG0142

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(細く長い坂道とその途中に佇む古民家。尾道灯りまつりは実に幻想的)
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頑張って坂道を登った先にある千光寺は、然程大きくは無い、普通のお寺さんです。
ただ、そこから眺める街並みは素晴らしく、巨大な石の上に座って風に吹かれながら見るに、かつて文豪達が、そして監督たちが愛した景色がそのままに近い形で残されています。

先ほど絶景、と書きましたが、それはもしかすると表現として正しくないかも知れません。
初めて見た方でも心に染み入るような望郷の風景、とでも言うのかな。じんわりと暖かく、穏やかに孤独を感じさせる風景です。

せかせか見ちゃダメですね。
雨が降っていても、日が照り付けていても、30分は望んでください。
じわじわと情感が豊かになってきます。

RIMG0146  RIMG0149
(千光寺周辺の風景。巨石が並ぶ不思議な場所)
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RIMG0147  RIMG0148RIMG0144  RIMG0145
(眼下に望む尾道の街並みと瀬戸内の風景。雨の日も、晴れの日も、春霞の日も、冬の澄んだ空気の下でも、夏のうだるような暑さの下でも、見るたびに一層、美しい風景)
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さて、たっぷりと風景を吸い込んだら、今度は階段を下りて市街地に戻りましょう。
もちろん、尾道には千光寺以外にも美しい、また由緒あるお寺や神社が坂の中腹に立ち並んでいます。それらをゆったりと巡るのも、また楽しい尾道探訪です。

この日は雨脚が酷くなってきたので、少し先を急ぎました。
各神社やお寺の佇まいもいいですが、その周囲を囲む家々やその壁、井戸、祠と言った風景も含め、それが一つの集合体として尾道の半分を形成しています。
初めて行かれた方は是非時間が許す限り見て回ってください。夕暮れの風景が特におススメです。

RIMG0152  RIMG0154  RIMG0153  RIMG0155

さて、そろそろ帰路に着く時間が近づいてきました。
坂や路地の多い尾道でよく見るもの、それは原付ですね。街中の至るところで原付姿を目にします。
さしずめローマの様でしょうが、まぁあんなあっけらかんな感じはありません。

その代わり情緒豊かな街の夕暮れは制服を着た学生で賑わいます。
買い物をするために原付を走らせる人の間を学生服を着て並んだ生徒達がのんびりと横切っていきます。
向島に帰るために渡船場に向かう子供達、別の街に帰るためにJRの駅に向かう子供達。この古い街を憎むときもあれば、やがて誇りに思う日もあるでしょう。
今はただ、傘をさしてゆっくりと帰路に着く彼らで賑わう夕暮れの街、ホーム。

そんな尾道に別れを告げて、私も山陽本線で広島市内に戻りましょう。
言うまでも無く、帰りの電車は熟睡しました(向洋で大量のマツダ社員の方々が乗ってきて、ようやく起きました)。

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オマケですが、帰りの電車の尾道駅への到着が15分ほど遅れました。
しかし皆、帰路の甘美なお喋りに興じ、誰一人不満そうな顔で携帯電話を弄っている人が居なかったことに驚きを覚えました。
広島市内から日帰りでも十分に行ける尾道ですが、唯一の欠点は気の利いたホテルが皆無なこと。
この山陽本線の寝心地を味わって帰るのが良いってことかも知れません。

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広島の郊外 : 尾道(2)


⇒ 広島の郊外 : 尾道(1) へ

小雨降り続くじめっぽい日ですが、引き続き尾道を歩いてみましょう。

尾道の市街地、というか、旧市街地になるのかな。
薬師堂通りを挟んで東西2ブロックほどがそうです。西側には商店などが並び、東側には飲食店やスナックなどが並びます。
そちらに出かける前に、まずは旧市街地の西の端、浜の小路を通って瀬戸内海に出てみましょう。

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(住吉神社の脇には尾道渡船の碇泊場がある。往年の港町を髣髴とさせる石造りの建物が続く)
.

尾道の目前には向島という大きな島があるという話は前回少し触れました。
この狭い海道を渡すべく、尾道にはいくつもの渡船場が残っています。現役のものだけでも4箇所。かつては其処彼処から船が行き来していて、海道を横切るのに一日かかると言われたほどでした。

現在ではしまなみ海道の一部として尾道大橋と新尾道大橋が向島とを結び、渡し船に乗る人の数も、渡し船の運行数自体も大きく減ってしまいましたが、それでも少しの車と、自転車や人を乗せた渡し船がゆっくりと陸地と島とを往復する姿は尾道ならではでしょう。
NHK連続ドラマ小説「てっぱん」やアニメ「かみちゅ!」でも印象的に使われていたシーンの一つです。両者とも、主人公は向島側にいるって前提なんでしょうね。

向島の尾道側には工場(主に造船鉄鋼工場)やドッグが並びます。
今でも結構操業は続いていて、季節によっては多くのクレーンが動く姿を見ることができます。

RIMG0120  RIMG0121

住吉神社ってのは、海運・商業の神様を祭った神社だと言われています。
まさに尾道にピッタリの神様ですね。
住吉神社の向こう側には雄大な尾道大橋・新尾道大橋の姿が見えます。
向島のさらに向こうには因島があって、時期に愛媛県です。
結構山の険しい島で、尾道側の崖にへばりつく様な一角だけが、工業地帯ですね。

そんな海沿いの風景を見ながら薬師寺通りに戻りましょう。
海沿いにはレンガ造りや古い鉄筋コンクリートの建物が見え、戦前の頃の繁栄を僅かに感じる事ができます。そういった建物を見ながら薬師寺通りにでると、「西山本館」という有名な旅館があります。
そう、フジテレビの西山喜久恵アナのご実家ですね。泊ったことはありませんが、外見だけでも立派な旅館で、また尾道に残っている数少ない、古くからの旅館でもあります。

その旅館のお向かいにあるのが、中華ソバの「朱華園」さん。
尾道らーめんってのが一時期(?)もてはやされましたが、その元になると言ってもいいかもしれない老舗の中華ソバ屋さんですね。まさに昔ながらの中華ソバで、アツアツのスープでむせっかえる様な店内が病み付きにさせてきます。寒い日に食べるのも暑い日に食うのも、いいです。

この辺りの建物は年季が入っていて、「朱華園」さん何かは新しく作り直してる部分もあるんでしょうが、昭和初期の趣を十分に残した造りになっています。

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(西山本館。別館も別にある)
.

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(中華ソバの朱華園)
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その薬師堂通りを東側に入っていくと、景色が一変します。
それまでの昭和初期の風景から、一気に昭和中期、つまり30年から50年ぐらいにかけての風景へ。
尾道が海運業などで栄えた時代に軒を連ねた、飲み屋、風俗、喫茶店、スナック、小料理屋、そういった店店が所狭しと並び、入りくった路地にびっしり張り付いています。
細々と営業を続けている店、まだ何故か儲かってそうな店、奇特にも新装開店された店、壊れたガラス、動かないエレベーター、降りたままのシャッター、雨に濡れたねずみ色のコンクリート。合法・非合法、金酒金女金。夕暮れに迷い込んだら泣き出しそうな、それでいて何処か懐かしい風景が3-4ブロックほど続いています。

地名で言うと石屋町って場所ですね。今も何だか更地を作っていて、たぶん10年と持たず消えていく風景だと思います。でも、私の思い描く尾道の素敵な風景の一つです。
薬師堂通り側からの目印はレトロな尾道歴史博物館と土間に酒を並べたお酒やさんですね。
本通りから入るなら、パッと見で分かる看板がでてますよ。

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(薬師堂通り側から米場町通りに沿ってはいるとこういった風景で街が始まる。それにしても、何と美しい町名の数々!)
.

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(石屋町の風景と、本通り商店街から石屋町に抜ける所にある看板)
.

尾道の旧市街は今はすっかりお爺ちゃんお婆ちゃんの街ですが、やっぱりこの街に何十年と住んでる背中は、それはそれで絵になるんですよね。
尾道は路地と坂の街で、若いうちはみんな原付にのって移動します。年を取られてトボトボと辛い坂道を歩かれる姿は、それはそれで感銘を受ける光景でもあります。旧市街の辺りは平坦な街並みですが、路地も多くて、色んな生活風景に出会う事もできます。
是非、そういった尾道らしい、また旧市街らしい風景にも足を止めてみてください。この小さな港町の持つ味わいが一層深くなると思います。

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さてさて、中華ソバでも食って、喫茶店で休んだら、ちょっくら坂でも上りますかね。
ほおって置いても名残惜しさを感じさせる旧市街に別れを告げて、次回はいよいよ千光寺参りです。雨中の石段を頑張って踏みしめるとしましょう。

千光寺から眺める尾道の風景は、雨の日も、晴れの日も、春霞の日も、冬の澄んだ空気の下でも、夏のうだるような暑さの下でも、尚一層、美しい風景です。

⇒ 広島の郊外 : 尾道(3) へ

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投稿情報: 21:26 カテゴリー: 広島の郊外 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

広島の郊外 : 尾道(1)


広島駅から山陽本線で一時間半。新幹線を乗り継げば一時間ほど東に向かった所にある、海沿いのこじんまりした美しい街が、尾道です。
山陽本線に乗ったって、瀬野川眺めたり、西条の辺りの白壁の家々を見たり、本郷の田園風景、それに風光明媚な沼田川とそこに架かる雄大な広島中央フライトロードなんかを見て、うたた寝でもすれば、あっという間です。
(呉線から時間をかけて海沿いをぐるっと回るというウルトラCもあります)

これまでも何度か触れてはきたのですが、街として取り上げるのは今回が初めてですね。
NHK連続ドラマ「てっぱん」の一つの舞台になったので、ご存知の方も多いんじゃないかと思います。

広島のニュース : 連続ドラマ小説「てっぱん」始まる

山と海との狭い隙間に家々が軒を連ね、坂道と猫で有名な町ですね。
かつては尾道水道と呼ばれる、尾道眼下の瀬戸内海を船が行き交い、渡し舟が多くの人を乗せ、賑わった街です。
有名な映画、「時をかける少女」の舞台でもあり、最近ではアニメ「かみちゅ!」 も尾道の街をモチーフにして作られました。
放浪記を書いた林芙美子や、暗夜行路を書いた志賀直哉に愛された街としても有名ですね。

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(尾道水道を千光寺公園から眺めた景色と、尾道駅ほど近くにある林芙美子の銅像)
.

訪れたこの日はあいにくの雨模様でしたが、それはそれで美しいのがこの街です。
この街が最も繁栄したのは、江戸時代と戦後十年ほど、と言われています。
江戸時代には街道(山陽道)沿いの街として、戦後は造船業の拠点として、です。

現在はちょっと寂れていますね。
ただ、これは追々書きますが、新たな息吹もふつふつと感じさせてくれます。

四季折々、いつ訪れても美しく、しみじみと温かい街です。
ここでは3回にわたって、この街を取り上げてみたいと思います。

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電車が尾道駅に入ってきて、駅を出ます。恐らく最初に思うのは、狭い街だなぁ、ってことでしょうか。
海から山までの距離が近く、また海に出ても「水道」と呼ばれる様に、目の前には向島というおよそ陸地ほどある大きな島が浮かんでいて、その狭い空間にしがみつく様に家々が立っています。

鎌倉よりも開放感が無く、強いて言えば小樽に雰囲気が似てるかもしれませんね。
恐らく栄えていた時代や産業に類似点が多いからじゃないでしょうかね。
尾道の場合、駅前は随分と開発されていますが、まぁ直ぐに昔ながらの街並みが広がるので安心してください。

駅を出ると多くの人がまず左(東側)に向かって歩くんじゃないでしょうか。
目の前に広がる海に出てもいいですが、そこでは何もすることがないので、左に行くのがいいでしょう。
前述の林芙美子の銅像が見えたら、もうそこは尾道商店街の入口です。

入ると直ぐに林芙美子や大林宣彦(時をかける少女の映画監督)をフューチャーした喫茶店なんかが目に入ってきます。
途中、左手に折れる寺めぐりの道看板も出ています。
尾道では、
①先に寺を回り、後で街をめぐる
②先に街をめぐって、後から寺に行く
③街 --> 寺 --> 街、とめぐる
の3種類の観光方法があります。寺めぐりは坂めぐりですので案外キツイです。
私は②のコースでめぐりました。なので、まずは商店街を直進。

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途中の路地をひょいと覗くと海が見え、人々が行き交う姿があります。
こういった細い路地は尾道の特徴で、その生活風景はこの街の大きな魅力でもあります。

実はこの辺りはまだ街外れです。
ずんずん進みましょう。
商店街の中には古い建物や銭湯を新しいお店に外見を残したまま鞍替えしたお店がチラホラ見えます。
そういったお店に立ち寄ったりするのも楽しいですね。
駄菓子や雑貨といった値段の安いものが中心なので、ついつい荷物が増えてしまったりします。

商店街が一旦途切れ、センター街の看板が見えたら、中心街に近づいてきた証拠です。
とはいっても、別に大きく風景が変わるわけじゃないんですが、お店も少しだけ高級なお店に変わります。
中でも尾道帆布のお店が目に付くでしょう。
尾道帆布というのはかつて造船に使われていた帆布を使用した商品で、丈夫で風情があって、それを売っている店がチラホラ見えるはずです。
値段は安くは無いですが、小物から売ってるので、是非見てみて、それから手触りを味わってください。
少し麻にも似た、ゴワゴワっとした手触りで、如何にも丈夫そうでしょう?

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.

アーケードの下を歩く分には雨にも濡れないし、快適ですね。
正式には、これらのアーケードは全て尾道本通りと言う名前で括られています。
もしちゃんと尾道の街を知りたければアーケード内に尾道商業会議所というレトロな建物があって、併設されている「おのみち街かど文化館」に資料がそろっています。
観光に便利なパンフレットとかも置いてあるので、駅で取り忘れた方は、是非ここで。
ガイドブックなんて要らないですよ、尾道は。街は小さいし、パンフレット類がちゃんとありますから。
むしろ映画の一本でも観てから行った方がいいでしょう。

RIMG0114

センター街に入ってしばらく進むと左手に千光寺通に抜ける看板が見えたら、いよいよ街の中心街です。
次回は一旦尾道水道方面に寄り道をしてから、尾道の街の中心街。昭和三十年代の息吹が、というか枯れた空気の残る街並みを見てみましょう。
腹ごなしもしないといけないですしね。

⇒ 広島の郊外 : 尾道(2) へ

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投稿情報: 22:14 カテゴリー: 広島の郊外 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

広島の郊外 : 広島高速


RIMG0201広島高速って郊外なんか? 
街じゃないん?
いや、もう風景じゃろ。

どうなんでしょう。でもやっぱり感覚的には、郊外なんですよね。広島の街の外周、郊外をぐるっと回ってるって印象です。

広島高速と言うのは現在4号線まであって、
  ・1号線:志和インター~間所インター(安芸府中道路)
  ・2号線:間所インター~海田大橋入口(府中仁保道路)
  ・3号線:海田大橋入口~吉島インター(広島南道路)
  ・4号線:沼田インター~中広インター(広島西風新都線)
となっています。
その他に、3号線は観音あたりまで伸びるようですし、間所から広島駅北口付近まで延びる5号線も建設予定だそう。

まぁ、広島市ぐらいの規模になってくると、環状都市高速を作りたいって思いも分からんでもないし、実際マツダさんにしてみれば工場直結とも言える高速は便利なんでしょうけどね。

もちろん、かつての西広島バイパスの様に、都市の作られ方をガラッと変える可能性もありますが、そこまでは、どうでしょうねぇ。
車社会からの脱却が徐々に進んでいくでしょうし、有料である限りそこまでにはならない様に思います。
むしろ市街地とその外を明確に分ける線引きになってしまう、と言ったほうが適切かも知れません。

  戦前:元安川と本川を横切る西国街道を中心に、京橋川・比治山を西端、御幸橋を南端、城北通りを北端、天満川を西端として都市が形作られた
  戦後:中心地が紙屋町・本通り・八丁堀に移り、京橋川・比治山を西端、宇品を南端、城北通りを北端、大田川放水路を西端としつつも、西広島バイパスにより、西側に拡大する形で都市が形作られた
  現在:広島駅を中心地として置きなおし、東北端を温品、東端を府中、仁保として、黄金山あたりまでを市街地として拡大中

てな感じでしょうか。

RIMG0202  RIMG0208
(ソレイユ傍の府中ICとお隣の大洲IC)
.

RIMG0207 
(新大洲橋から眺める広島高速)
.

まぁ正直是非は分かりませんが、5号線はともかく、それ以外はほんまに要るん?という疑問が拭えないのも事実です。
実際、利用して出勤や買い物をされてらっしゃる方には申し訳ないんですが、他にお金使った方がいい所があるんじゃないん?と言うのが、本音。
マツダさんの手前やりづらいのかも知れませんが、平和大通に自転車専用レーンを作る、とか、広電の路線増やす(広島駅から段原通って皆実町六丁目で宇品線に接続する環状線がおススメ!)、とかね。

RIMG0073  RIMG0076
(安芸の子富士を横切る3号線)
.

市内から外への交通を利用する人はそんなに多くないし、行く所もあんまり無い。
じゃあ余所から来るか、と言うと、そんな人口が多い都市が回りにあるわけでもないし、既に結構な交通手段がある。
だったら、黄金山や安芸の子富士の景色に白い横線ひっぱる様な高速道路じゃなくて、市内→市内、の交通をもうちょっと街づくり、という観点で見つめなおした方がいい。そう思うんです。

人が歩けない道作っても、仕方ないじゃないか、と。

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広島の郊外 : ソレイユ


百聞は一見にしかず。
いや、むしろ、文句ばっかりゆぅとらんと、一回見に行きんさいや。

と言うことで、行ってきましたソレイユ。

RIMG0196


正式には「イオンモール広島府中ソレイユ」と言い、1998年に閉鎖されたキリンビール広島工場跡地にできた、キリンビアパーク広島の敷地内にあるモールを「ソレイユ」と言います。
出来たのは2004年なんですね。もう7年も経ったのか、と思うと、時の流れは早いというか何と言うか。

市内からだと、広島駅の新幹線口から送迎バスが出ていて便利です。
むろん、ソレイユの存在が、マツダスタジアムと共に、広島駅北口(新幹線口)の再開発を活性させた訳ですし、広島(環状)高速計画も、このソレイユがある程度の成功を収めた事で一気に弾みがつきました。

ソレイユの特徴を一言で挙げるなら、何でもかんでも「デカイ」。
売り場、映画館数、駐車場、何でもデカイ。
この「デカイ」と言うのは、実は西区にソレイユ以前からあるアルパークとの大きな違いで、アルパークは「多い」。
つまり、各店舗のサイズを変えず、集約させたのがアルパークなら、ソレイユはサイズもデカくした。
これが、それまでのデパート型を引き摺ったアルパークと、工場的な精神で「モール」を作り上げたソレイユの一番の違いでしょう。

RIMG0194  RIMG0195
(入口もデカければ、売り場もデカイJUSCO in ソレイユ)
.

むろん、このデカさは、ターゲットの絞込みからきたものです。
ソレイユのターゲットは、「車で来る若い夫婦」。特に「小学生以下の子供がいる夫婦」。
これは徹底されていますね。
私みたいな徒歩で一人がノコノコ行く者は相手にしてない。

だから、立地もデカイ場所が確保できて車で行きやすい場所、ってことになる。
広島高速も織り込み済みだったんでしょうが、立地的にはいい場所を選びましたよね。
想定していたその後の流れと、ソレイユが作ったその後の流れを切り分けるのは難しいですが、「当たった」と言っていいと思います。

広島には比較的大きなスーパーが少なく、かつほとんどが都市型のスーパーだったので、こうした郊外型の目ガスーパーと言うのはあまりなかった。
原型は段原にあるSATYでしょうね。これはほぼ間違いない。
その後、宇品に類似のものが出来たりもしましたが、クオリティー面でもソレイユが上だったと思います。

RIMG0198  DSC01247
(中も開放感があって、もちろん新幹線からもその姿は見える)
.

行ってみて思うのは、まぁ、そりゃ楽しいだろうなぁ、と。
半日は余裕で過ごせる。服を見て、小物を見て、映画館かゲームセンターにでも行って、メシ食って。
それぞれ躊躇するほどの値段じゃないし、服や小物は見るだけならタダだし。

感覚としては昔のデパートに近いかも知れないですね。値段と交通手段は違うけど、「なんでもある」って感覚が近い。庶民のデパートって言い方が良いかは分からないですが、好き嫌いは別にして、暇な休日につい行っちゃう、って気持ちは分からなくも無い。

もっとも、本通り派としては、福屋なんかも含めて、市内の店舗にも負けて欲しくないですよね。
もとより、ソレイユ側が差別化してくれてる訳で、じゃあ、そうじゃない人、例えば一人で買い物に行くオジサンとか、あまり一度にたくさんは買わない自転車のオバサンとか、会社帰りのOLとか、そういうターゲットに対して、市内の店舗が、じゃあどう売っていくのか、ってことだと思います。
例えば、福屋の八丁座や、天満屋のジュンク堂はそれを意識してますよね。似てるようで、ソレイユのものとは違うのは、行けば分かる。
そこから先は好き好きってヤツですから。

RIMG0203
(ソレイユの傍の広島高速入口)
.

有り体な結論ですが、こうして選択肢が増えてくれるのは消費者としては嬉しいですし、広島の街に愛着がある者としては、ソレイユや類似のモールの隆盛で街の一軒店舗が消滅していくのは哀しい。

ただ、アルパークの時もある程度そうでしたが、こうした大型モールの登場で、街の流れと言うか、道路やマンションの建設も含めて、そういったものってすごく大きく変わっていくんだなぁ、と改めて感じました。

(あと、ふと、思いました。もうちょっと頑張れ観音マリーナ・・・)

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