1987年創立。94年から広島アジア大会の開催に合わせて運行を開始した広島新交通一号線、通称「アストラムライン」を管理する会社です。
アストラムラインは「アトム」の愛称でも呼ばれ、市内本通りとビッグアーチのある広域公園を結ぶ、広島では珍しい南北に伸びる路線です。
紙屋町から本通りにかけての地下街「シャレオ」が作られたのもアトム開業に合わせてで、実際にアトムは牛田から本通りまでは地下を走っています。
中国地方初の地下鉄といった言われ方をすることもありますが、実際には鉄道ではないんですよね。バスに近いかも。専用軌道の上をタイヤのついたバスが走っているような感じです。(国土交通省の統計資料では、何故か「地下鉄」として扱われています)
様々な期待や批判を浴びつつも、創業十六年。ようやく広島の風景として馴染んできたような気がしますね。
「一号線」と言われる事からもわかる様に、実際には様々な計画もあったんですけどね。
バブルの崩壊や、市内電車の復興もあって、今のところ一号線しかなく、目立った二号線計画も無いようです。
広島市が51%の株主で、所謂第三セクター方式なんですが、面白いのは広電も出資している所ですよね。
当初の計画だと、路面電車にかわる新たな交通、という側面もあったようです。路面電車は整備が大変だし、拡張・新路線も非常に困難、とのことだったようですが、その後、エコロジーの観点なんかからも見直しが進んで、どうやら広島駅前の路線変更も現在の路面電車の形態を保ったままで行われるみたいです。
昔は広域公園から五日市に抜けて、ぐるりと環状線にする、なんていう壮大な計画があったそうですが、今じゃあ五日市まで通るかも怪しいですよね。
そりゃそうですよ。五日市から市内なら広電かJRの方が早いわけだし、五日市から広域公園に行く人が毎日そんなにいるとも思えない。赤字覚悟の公共交通が可能な時代でもないでしょうしね。
別路線の可能性があるとすれば、牛田から広島駅の裏側(新幹線口)を通って、マツダスタジアムあるいはその先のソレイユ付近に伸びる便では?との噂もありますが、まぁこちらも収益がどれほど見込めるかは怪しいです。
如何せん、シャレオがさっぱりですからねぇ。卵が先か鶏が先かって話ですが、もうちょっと紙屋町・シャレオが賑わってこないと需要が増えてこないかもしれない。
(もうちょっとパッとして欲しい紙屋町シャレオ。無駄に広い)
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出来た当初は未来的だなぁと思いましたね~。
当時中学生とかだったのかな。色使いとか、カーブを上手く使ったホームの形状とか。近未来的デザインでしたね。初めて地下鉄が出来たってのも嬉しくて、本通りから牛田ぐらいまでの区間を意味もなく乗ってみたりとかしましたよ。結構そういう広島の人は多かったんじゃないでしょうか。
その後、自動改札を導入したのも広島では初だったと思います。
今では、バスも市電もアトムも全部PASPYで乗れますからね。あぁ、ICOCAも使えるんだ。便利ですねぇ。JRとは接続悪いけど(笑)。
今では久々に見ると、何だか「懐かしい近未来」って感じです。
おかしな表現ですけどね。80年代から90年代にかけて流行った近未来の形状だなって思います。広島以外にも「新交通」とかって名前で結構似たような路線が作られました。そのどれもが赤字で苦しんだりしましたが、アトムは少しだけ持ち直してきたかな。
ホームなんかも当時のまま美しく保たれていて、駅員さんの努力が垣間見れます。
(アトム牛田駅の改札とホーム。はてなマークの路線図が何だかアトムそのものを表している気もする)
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何だか広島を未来都市に連れて行ってくれるような気がしたアトムも出来て17年ですか。そりゃこっちも年を取っていく(笑)
今の中学生、高校生はアトム後の世代ですもんね。そういうこともあって、徐々に根付いてきたのかも知れません。牛田なんかには学校も多いから、結構学生さんの乗車も見かけますしね。
これから広島をどんな街につれていってくれるでしょうね。
結構好きですよ。アトム。自動車専用の広島高速作るよか、よっぽどいい。そんな金あったらアトムもう一路線つくってみたら?って思います。広電との乗り換えももっとスムーズに出来るようにして欲しいし、広電みたいに季節ごとにカラーの違う電車を走らせても面白いかも。
あと、もっと設立当初の理念に戻って近未来路線を打ち出して欲しいですね。
「懐かしい近未来」なんて言われないように。広島をまた近未来に連れて行ってくださいよ。
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【関連する過去ブログ】
広島の街 : シャレオ
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