呉を超え、呉宮原を過ぎ、しばらく進むと、音戸が見えてきます。
音戸の瀬戸、と歌なんかにも歌われる、小さく、風光明媚な海峡です。
音戸には赤く大きな橋が架かり、広島・呉方面から行くと、ツツジで有名な音戸公園があり、そこからは音戸を行き来する船と、運がよければ群青色の海に白い渦潮がいくつも浮かび上がっている姿をみることができます。
赤い橋を渡れば、今度はオモチャの様にグルグルと渦巻く橋の降り口があり、倉橋島に入ります。
かつては渡船が行き来し、賑やかだった音戸の瀬戸。
倉橋島側には、その面影を残す旅館と、小さな渡船の小屋の姿を確認することが出来ます。
連続ドラマ小説「てっぱん」でも尾道の渡船が何度か画面に出てきましたが、こちら音戸の渡船はもう少し小規模ですかね。
でも、渦がある分、こちらの方が船頭の”ウデ”が必要だった、と聞いています。
(左はツツジの木に囲まれる呉側の上り口、右側は倉橋島側の上り口)
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しかし、この美しい音戸の景色も、あと少しで変わってしまうかもしれません。
ちょうど渡船が発着していた辺り、つまり音戸大橋から広島市側数百メートルの所に、新しい大きな橋が出来ようとしていました。
これ、できたらちょっとショックだなぁ。
確かに音戸はかつては船の難所であり、現在では大橋が車の難所になっていますし、季節によっては渋滞もします。
呉海軍と、江田島海軍の陸上からの交通を不便にしているのも、この橋でしょう。
でも、ねぇ。
せっかくの美しい音戸の景色が変わってしまうのか、と思うと、本当にやるせないですよ。
(左の写真は奥が呉で、左に建造中の支柱が見えます。右は工事現場)
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いつ、橋が完成する予定なのか分からないですが、今の景色を、情緒溢れる音戸の瀬戸を見るなら、この秋が一番かも知れないです。来年のツツジの季節には、もう橋が大方完成していることでしょう・・・
この音戸ですが、倉橋島側に渡って江田島・能美島側にしばらく行けば、美しい海岸と真っ白に輝く塩の山。そして行き交う小型タンカーの姿が見え、晴れた日であれば、とても素敵な景色を見ることが出来ます。
こちらも、音戸に負けず劣らずおススメですよ。
(左写真、海の先はは呉宮原の工場群。右写真は真っ白な塩の山とタンカー船)
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