市内から車で一時間あまり。瀬戸内に浮かぶ比較的大きな島です。
呉まで一旦出て、音戸を渡って、グルグルと回って橋を降りたところ、左に行けば江田島、という三叉路を右にまがるとやがて倉橋島に入ります。
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結構広い島なんですけどね。国道487号線沿いに走って行って、島の南半分にでるといいと思います。お隣の早瀬大橋まで行ってしまって南に下るルートでも行けます。
火山と呼ばれる山を横目に車を走らせ、島の南側の海に着けば、桂浜の海水浴場が見えてきます。高知土佐の桂浜を思わせる松林の美しい海岸で、規模は大きくないですが、美しい海水浴場があります。
海水浴場にはキャンプ場が併設されていたり、直ぐ通りを渡れば温泉があったりとそれなりに施設が揃っていて、脇の小高い丘の上に神社があったり、風光明媚というのかな、なんていうか、懐かしい海水浴場です。
当然、周囲にコンビニなんてものは無いので、キャンプをされる方はちゃんと買い物をしていってくださいね。
シャワーなど、水周りは揃っています。
場所柄結構市内から遠く、行きづらいからかそんなに大混雑、という事にはならないんでしょうが、広島近隣の海水浴場では一番施設としても整っている場所の一つでしょうね。
この先の蒲刈も美しい海水浴場がありますが、負けず劣らずです。
この辺りは神話的世界が広がっているらしく、伝説が一杯残る場所です。
実際には平安後期から室町時代にかけて栄えたようで、ちょうど平清盛の時代でしょうかね。宮島と共に海運路が開発され、賑わっていたようです。
その後も明貿易なんかで栄えたものの、瀬戸から日本海、果ては東シナ海にかけて隆盛を極めた海賊の勢力下に置かれ、江戸時代に入ってからは江田島の方が賑やかになったんだと思います。きっと、船の性能が上がって、音戸を迂回せずに突っ切れる様になったからでしょう。
音戸を迂回すれば必然的に倉橋桂浜で一服、となるんでしょうが、音戸をつっき切れれば江田島に寄るかして直ぐに広島市内に向かって行けますからね。
今でも桂浜とその周辺には神社が数多く並んでいて、その他木像・銅像・石像、祠・石・水など由緒があるんだか今となっては分からない神話の残り香が其処彼処に残っています。
夏じゃない季節にそれらをゆっくり巡るのもそれはそれで楽しい。夏は、ちょっと暑いですね。
関係ないですが、桂浜の砂はキュっキュっと鳴るような細やかな砂ではなく、ちょっとざらついて足の裏が痛いぐらいの粗暴な砂です。慣れればそれはそれで自然な感じがしていいもんです。
桂浜も実に神話的な風景ですが、そこからさらに車を三十分ほど走らせれば、鹿島と呼ばれる、倉橋島の先に突き出た小さな島があります。
広島県でも最南端ということになるのかな。今でこそ立派な橋でつながっていますが数十年前までは孤島の様な場所だったに違いない。海辺に出れば、かつて海賊も、神話世界の神々も、或いは戦争に出て行く前の若き将軍達も眺めたに違いない瀬戸の穏やかな景色が一面に広がります。
程よく晴れた日の夕暮れになると、瀬戸の夕凪、風が完全に止んで、波は穏やかに打ち寄せ、霞みがかった倉橋の山々の緑が夕日に照らされます。波はキラキラと輝き、透明度の高い海の中では魚達が夕飯を求めてゆったりと泳ぎ回る。
現代に神話的風景があるとすれば、恐らくはこの風景がそれであろう、という風景。
江戸末期に日本を訪れた西洋人の冒険家が、瀬戸内の風景は世界で最も美しい、と絶賛した風景。
鼻に優しい汐の香りと、耳を和らげる波の音。遠くで聞こえる犬の遠吠え。時折、かすかにそよぐ風。
もう時期夏の暮れがやってきます。
長袖のパーカーでも手に、神話の世界に出かけてみてください。
(あまりの美しさに写真を撮ることすら忘れた風景でした)
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