広島の郊外 : 呉の最後で、「一番のおススメはまた書きます」と書いたままでしたが、呉の街から車で十分ほど行った所に、その景色はあります。
大和ミュージアムの少し先、急坂を上ると、途端に景色が開けます。
紺碧の海と、入り組んだ呉の港の先に見える瀬戸内海の島々。その間にニョキニョキと突き出た大型クレーンと、錆付いた工場の屋根。
丘の上には、有名な高校のそびえる、呉宮原の風景です。
工場は主に、(株)IHIマリンユナイテッドの呉工場。
ちょうど、正岡子規の句碑がある辺りからの景色です。
坂を下りると見えてくる、ドックに並ぶ潜水艦や護衛艦も圧巻ですが、こちらも実に壮観な風景。
もう少し先、つまり昭和町辺りに行くと、今度は日新製鋼(株)さんの呉製鉄所が見えてきます。
錆びた鉄塔、複雑に曲がりくねった鉄の管。濛々と上がる灰色の煙と炉から漂う火の気配。
この宮原から昭和町にかけての3つの風景は、在りし日の呉の賑わいと、プライド、それに残り香の様な興奮を感じさせてくれるに十分な風景です。
(左上からIHIさんの工場入口、木とクレーンがかわいらしく同じ方向を向く。左下に行って、瀬戸の島々とクレーンの壮観な景色、そして屋根の色と形が特徴的な工場)
(呉宮原高校と、自衛隊ドック。道路の反対側にはレンガやコンクリート造りの倉庫が並ぶ)
(左上から製鉄所入口、大きさに圧倒される製鉄所の風景と、下は複雑に入り組んだ配管)
数年前までは、製鉄所から煙の出る日が減り、クレーンは頭をたれ、錆び付いた鉄の管だけが目立つ風景だったのですが、どうしたことか、最近はまた活況を呈しています。
その活況が呉の街の賑やかさと直接繋がらないのは残念ですが、突き抜けるような晴天の昼下がりに煙を吐き、ガタガタと音を鳴らし、紺碧の海の上で旗のひらめかせる鉄の塊。
そんな風景だけでも、十分に一見の価値があります。
できれば、工場の稼動している平日がいいですね。
呉線と呉市営バスを乗り継いで行ってもいいですが、結構な広範囲ですので、車で行った方が自由度は高いです。
場合によっては工場内の見学も可能ですし、こちらは主に休日になりますが、海軍基地内の見学ができる日もあります。秋の社会科見学に、訪れてみると、いいですよ。
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