紙屋町の一角、デパートのそごうの旧館と新館に挟まれるようにして、広島バスセンターはあります。
バスセンターは、株式会社広島バスセンターによって、昭和三十二年に開業。
当時は今の様な三階部分ではなく、アスファルト舗装もされていない地上に造られた、言わば大きなロータリーの様な場所でした。
当時の様子はこの写真集にも収録されています。
実はこの広島のバスセンター、日本発のバスターミナルだった、って知ってました?
私は今回はじめて知りました。
それが、壊滅状態にあった広島にできたと言うのは、ビックリと言えばビックリ。土地が浮いていたし、他の交通手段の復興が遅れたこともあったんでしょうが。
このバスセンターは、その後、そごうがやってきて、昭和四十九年からは、今の様に三階部分で営業を続けています。
そごうだけでなく、近くに原爆ドーム、県庁、旧広島市民球場、広島城、中央公園、などを抱え、まさに広島のターミナルとして、数十年にわたって活躍してきました。
広島の中心が広島駅では無く、紙屋町であり続けたのも、このバスセンターに拠るところが大きいでしょう。ます。
当然、入口を出てすぐには広電の紙屋町電停があるし、アストラムラインが出来てからはその県庁前、シャレオもすぐ傍に入口があり、つい数年前までは、完全に広島の中心地でした。
最近ですかね。MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島ができ、市民球場が役割を終えて、中心がJRの広島駅の方にシフトしていった。
この傾向は、新潟、仙台、鹿児島など、まぁ多くの似たような地方都市で起きている現象です。
(左:バスセンターのある建物。右:バスセンター(三階)へと続くエスカレーター)
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バスセンターは最初は広島の北側、つまり横川、祇園、中洲、その後、緑井など更に北側のバス、西側開発以降は西広島(己斐)、五日市、四季が丘、アルパーク、と路線が増えていき、また、呉、尾道などの郊外線、それから大阪や福岡といった、県外線と行き交います。
現在でも、北側と西側からの路線が多いですかね。
今後は、東側への路線も増えていくでしょう。温品、海田や瀬野 あたりからの路線が出来れば、また広島駅に対して盛り返して、やっぱり紙屋町が中心!となるかもしれません。
八丁堀や本通りへのアクセスがいいですからね。
バスセンターのバス乗り場はもちろん三階にあるんですが、懐かしいのはそこから聞こえた市民球場の歓声でしょうかね。
下の写真にもあるように、本当にすぐ傍に市民球場があるんですよ。
だから、ワーッ!って歓声が聞こえてね。あぁ、この調子なら勝っとるなぁ、とか、ヤジしか聞こえてこんから今日はダメじゃな、とか、ね。
まぁそれを言ったら、昔はちょっと雨上がりの日なんかだったら平和大通からでも十分聞こえましたからね。
昔といっても二十年ほど前ですが。
(左:半分ほど屋外に突き出したバスターミナル。右:旧市民球場の照明がまだ見えた頃の姿)
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市民球場跡地には何ができるんでしょうねぇ。
ここに変なもの作ったら、バスセンターまでオカシクなっちゃう。
公園でもいいけども、やっぱり、あの歓声が聞こえてきたりしたのがよかったなぁ。
サッカー専用スタジアム。やっぱりダメですかねぇ?
公園なんて中央公園があるでしょうに。
そうそう。このバスセンター、切符売り場の周りに僅かに店舗があるんですがね。
お隣にそごうがあったり、バスセンター自身にも別の階にショップが入ったりしているからか、あまり品揃えがよろしくない。
昔の宇品を見ているようで嫌いじゃないんですけどね。
余談ですが、前述の新潟のバスターミナルは広島バスセンターそっくりです。そんなお店の在り方まで。
誰かがこっそり広島に来て盗んで行ったんじゃないかな。はは。
(左:郊外に向かう広島電鉄株式会社のバス。右:味わい深いセンター内商店)
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コメント
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