誰が作ろうと言ったのか知らないですが、オシャレでも何でもない広島唯一の地下街が「シャレオ」です。
メインは紙屋町から本通りにかけてでしょうかね。広島城のあたりから地下にもぐるアストラムラインの紙屋町駅と本通り駅をつなぐ形で、大手町一丁目・二丁目 に沿って南北に伸びる地下街です。
伸びるといっても五百メートルもなさそうですし、東西に至っては、旧市民球場の前あたりから立町までという中途半端具合。
せめて八丁堀まで伸ばさんのん?という素直な疑問を完全に無視する形で終わっています。
もっとも、今の状況を見ると、テナントも、そこに来るお客さんもあまりいないですからね。
必要無いと言えば必要無い。
特別雪が降るわけでもないし、雨が降っても本通りにもアーケードがついているし、アストラムラインの利用者がそんなに多いわけでもないし、と結果論で言わせてもらうならば、「とりあえず地下街というものを作ってみたかっただけです」というムード満載。
だからと言って歩行者を立ち寄らせるような工夫があまりされている訳でもなく、作った後の利用方法も疑問です。
一応、十字に交わる紙屋町交差点の地下にはイベントスペースの様なものが設けられ、しばしば物産展や中古レコード市なんかをやっている姿を見かけますが、テレビの中継があるときぐらいですかね、そこそこ人が立ち寄っているのは。
例えば札幌なんかには巨大な地下街があるし、名古屋にもある。
そういうのをイメージして作ったんでしょうけれど、札幌は雪が降って外が歩きづらいからこその地下街だし、名古屋は都市の規模が違う。
広島と同じく失敗した地下街で言うなれば新潟ですかね。あそこは雪が降るにもかかわらず、テナントがイマイチなのか、どうも寂れた雰囲気がある。
広島の地下街も、アストラムライン共に、一時期は八丁堀まで伸ばすとか、平和大通まで伸ばすとか、相生橋のあたりまで伸ばすとか、色んな話があったようですが、元々三角州で地盤が弱い上に集客力がさほど見込めないことから、費用対効果が良いとは思われず、結局頓挫しています。
まぁ、地上に出れば広電も通っているし、結構な長さのアーケードもあるし、で、無理に大金をかけて作ることもないだろう、と。
もちろん、地下街が盛況を見せた一方で地上が閑散としたのでは本末転倒ですしね。
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(十字路のイベントスペース。通る人の割りに立ち寄る人はほとんどいない)
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広島空港の移転と並んで良い所の無い開発だったわけですが、まぁ実際、計画を立ててから実現するまでに数年のタイムラグがあるわけで、仕方が無いと言えば仕方ないんでしょうね。
問題は、この経験を旧市民球場跡地利用や、広大跡地利用、 「広島エアポートビレッジ開発」民事再生にどう活かしていくかでしょうね。
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島なんかは比較的成功しているようにも見えますが、広島駅前(新幹線口)や段原の再開発とセットにした時に、結果が出る4-5年後にどうなっているかは分からない。
結論から言えばやはりこういった「スペースの開発」にお金をつぎ込むのは限界がある、ということなんでしょう。
東京や大阪を別にすれば、「スペースが価値を持つ」というケースはもうほとんど無い様に思います。
有り体な話になりますが、やはりコンテンツを具体的にイメージしての開発が大切なんでしょうね。
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