市内から車をとばして1時間半。呉を超え、音戸をわたって、さらに倉橋島、桂浜を超えていけば、最終的にたどり着くのが、鹿島です。
おそらく、陸続きで行けるところとしては、広島県最南端の島なんじゃないでしょうか。一周6キロほどの、歩いても回れるような、小さな、美しい島です。
広島の郊外 : 呉 2013 (1)
広島の郊外 : 呉 2013 (2)
広島の郊外 : 音戸
広島の郊外 : 倉橋島
広島の郊外 : 桂浜
この鹿島とその周辺、季節にもよりますが、私が知る限り、瀬戸内でも有数の釣りスポットらしく、それで訪れた方も中にはいらっしゃるかもしれません。
昔は釣り客なんかも結構いたんですかね。それ以外で鹿島を訪れたことがある広島の人も、そう多くは無いんじゃないでしょうか。
鹿島に向かうには、倉橋島をずんずん進むだけ。結構、登ったり、下ったり、くねくね曲がった道を走るので、車に弱い方は注意した方がえぇです。しばらくすると、対岸にこんもりと盛り上がった丘のような島が見えてくると思います。それをさらに行くと、やがて、早瀬大橋を小さくしたような橋が頭上に見え、後はそこに向かって急坂を上がっていくだけ。
まぁ、船の運航や景観が損なわれないよう、最大限配慮した結果、相当上のところに橋を造るってことになったんでしょうね。昔はぽんぽん船(連絡船)だけじゃったけぇね、と鹿島で出会ったお婆ちゃんが言ってました。島の人にとっては、学校に行くにも、病院に行くにも、買い物に行くにも、生命線になる橋です。
(倉橋島と鹿島とをつなぐ、鹿島瀬戸橋。そして橋の上からの景色)
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橋を渡って右に折れると、やがて漁港に出ます。このあたりからの風景ってのは、私の中でのベストオブ瀬戸内。特に夏場の夕暮れは、風もなく、夕凪の中で微かな波の音と、ゆっくり沈んでいく夕日に、時間を忘れます。私は広島生まれ、広島育ちですが、それでも鹿島の風景には常に心を揺さぶられます。
言っても呉から1時間ぐらいですが、ここにあるものは、まるで別世界です。目に見える景色だけじゃなくて、もう風景が違うんですよね。すごく純度が高い。
店の一つもない島ですが、防波堤に転がってウトウトするだけで、最高の贅沢です。時折倉橋島との間を通る小舟が、風を作り、波を作って目を覚ます。そんな繰り返しが、いつまでも続きそうです。
実際住むと、その繰り返しが退屈になるんでしょうが、広島市内や呉市内に住む人には、そりゃあ贅沢な怠惰ですよね。
(波は穏やか極まりなく、なもんで水の透明度と言ったらない。漁港にはチラホラ釣り客の姿も)
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海鳥が飛び交うのを眺めながら防波堤でのんびり時間を過ごすもよし、段々畑が並ぶ島の反対側に回って散歩するもよし、ゆっくりと鹿島の空気を味わってください。お店とかないんで、食糧、飲み物は持って行って!
初夏もいいですが、夏の終わりから秋にかけて、これからの季節もおススメです。
広島におる人も、行かれる人も、気が向いたらぜひ訪れてみてください。
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