季節それぞれに街の色や匂い、あるいは音ってのがありますが、広島の街も、もう時期やってくる春を感じさせてくれる季節になりました。
広島の春は、中央通りの白木蓮(ハクモクレン)に始まって、比治山や黄金山の桜で花開き、鯉のぼりの季節が訪れ、フラワーフェスティバルをハイライトに、後続の季節に引き継がれていきます。
その間、七つの川はゆっくりと花びらを浮かべて流れ、瀬戸の海や安芸の山では生き物が顔を出し、黄砂と花粉の舞う空が夕方になるとオレンジ色に染まります。
既に中央通り白木蓮は満開ですね。
白木蓮はマグノリア、と呼んだ方が通りがいいかもしれません。
この花は昼間も美しいですが、夕暮れからネオン時にかけて街の灯りを反射させてる時間が一番綺麗だと思います。
中央通りという場所柄、八丁堀や流川に向かう人々の活気を浴びて、なんだか妖艶な感じがします。
広島はまだ晴れたり雨降りだったり、寒かったり暖かかったりですが、黄砂はお構いなく飛んできてらっしゃるみたいで、夕方になれば空はすっかりオレンジ色の夕日に覆われます。
市内から見れば、己斐から宮島にかけての辺りの空が何とも穏やかな橙に染まり、そこから白い雲が藍色の空に飛び跳ねます。これは何とも綺麗ですねぇ。
(天満川沿いの山桜とその後ろを街に向かって走る夕暮れの広電)
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やはり春先は何となく、街に高揚感があって、元気がでますよね。
それこそ天満川あたりから、ずっと市内に向かって歩いていくと川を渡るごとにその活気が伝わってきて、橋を越えるたびに気分が高揚する。
景色はぼんやりとしているけど美しく、なんだか街に色が増える。
私は花粉症もありますが、有難い事に然程ひどくは無いので、天気がよく暖かい日なんかも気分良く外を歩く事ができる。
ふと周りを見ると、卒業写真を撮る女子大生。残り少ない時を一緒に過ごす高校生に、自転車で市内に向けて駆けていく中学生。重たいコートを脱ぎ捨てた社会人に、元安川沿いで歌い始めたストリートミュージシャン。
広電がガタゴト音を鳴らして街に向かい、自転車が車輪をカラカラ鳴らして、橋を渡る。
(中央通りに咲く白木蓮と、元安橋あたりから市内に向かって歩く人々)
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プロ野球の開幕は震災の影響で延期されましたが、天満川の山桜はそんなこと関係なく小さな握りこぶし大の花をこんもりとつけ、もう時期元安川沿いのソメイヨシノも咲くよ、と教えてくれます。
来週辺りからは花見も始まることでしょうね。
フラワーフェスティバルまであと一ヶ月半。
何だか少し懐かしくて、嬉しくて、こそばゆくて、目がかゆくて、ぼんやりしたオレンジ色の季節。
そんな春が、広島の街に訪れようとしています。
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