広島市北部の街の中でも、最大の街の一つが可部です。
先週「可部大文字祭り」が行われたので、行かれた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
安佐北区の主要都市であり、旧街道・可部海道・可部バイパスが、南北に流れ、その両側をさらに太田川と根ノ谷川に囲まれた、前後に膨らんだ風船のような街です。
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広島の風景 : 山間の緑
広島の風景 : 緑の広島
広島の風景 : 七つの川① 「太田川放水路」
現JR可部線の最終駅であり、広島駅からは30分余り。「現」と書いた訳は、また後ほど話しますが、市内からは電車のほかに、バスセンター(広島紙屋町)からバスで行くこともできます。ほら、写真のオレンジ色のバス、広島におる人なら、お馴染みのバスですよね。広島交通(ひろこう)さんのバスで、県北方面の方の足になっているバスです。
実は、今の広島市街地が形作られたのは毛利施政下においてなので、その前はもっと県北の吉田あたりに中心がありました。むろん現広島中心部も山陽道の主要な街であったわけで、その両者を結ぶ、という意味で、可部や以前取り上げた古市なんかは栄えたわけです。
現在も旧街道沿いには立派な蔵や格子造りの窓を持った商家が並んでたりして、竹原にも似た雰囲気を持っています。あと、寺院仏閣が立派なのもやはりその頃の栄華を残したものと言えるかも知れません。江戸に入ってからも結構栄えていたらしいです。
(酒屋さん・米屋さん・醤油屋さんなど、「らしい」商家が今も残されている)
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島根あたりに抜けるにも可部から先が、いよいよ中国山地、という感じだし、市内から歩けば丸一日、ここで一泊して険しい山に挑む人も多かったんで しょうね。逆に山を越えてきた人には、広島まであと一歩、という高揚感もあったかもしれない。酒屋さんが多いのはそのせいでしょうか(笑)
このあたりは先の第二次世界大戦でもあまり街並みが破壊されなかったこともあって、市内中心部にはない、古い造りの建物や施設が残されていて、まだ安芸の国と呼ばれていた頃の面影を感じることができます。市内からもさほど離れていないこともあって、結構定年後の方とか、散歩好きの方には人気のコースみたいですね。有名「福王寺」さんに行かれる方も可部を中継地点にして向かわれる方が多いみたいです。
ただ、旧街道は思いのほか車通りが多いので、散策される方は注意してください。
(美しい庭を感じさせる旧家。旧街道沿いには昭和的な美しい建物もチラホラあって楽しい)
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旧街道と現可部街道の間には、路地なんかも結構残されてますから、散策するならそちらもぜひ行ってみられるといいですよ。水路が流れていて、木々が庭先からのぞく様子はなかなか風情があります。パッと前が開けたかと思ったら、また迷宮のような路地が続いたりね。
これもまたやはり、市内では無くなってしまった安芸の街の景色なんじゃないでしょうか。
現在の可部の姿、そして可部線の話は次回にしましょうかね。
そこには中継地点として栄えた街ならではの苦悩と未来がありそうです。
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