少し前の話になりますが、紅葉の季節にもみじ狩りで賑わう三滝(三瀧寺)に行ってきました。
目の冷めるような真っ赤なもみじと、背筋が延びるような秋の竹。宮島と並んで称される紅葉の名所だけのことはありました。
年の暮れに、そんな三滝を紹介したいと思います。
三滝というのは文字通り滝を囲むようにしてできた村で、その歴史は古く、西暦800年ごろだと言われています。最も山よりに在る三瀧寺(真言宗)が、滝を奉って建てられたのが809年ですから、もしかするとそれ以前から人は暮らしていたのかもしれません。
一説によると弘法大師によって建てられたという三瀧寺を山腹に置き、その奥が滝。三瀧寺に至る長い坂道の入り口が、三滝橋の架かる、大田川(放水路)になります。
(雄大な大田川放水路に架かる、三滝橋。放水路以前にもこのあたりは川が流れていたそうです)
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(橋を渡ると右手にうどん・むすびのむさしがあり、参拝客の足場になってます。むさしの裏が可部線の三滝駅で、横川から一駅とは思えない、味のある駅です)
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むさしの前を通り過ぎると、長い長い坂道になります。三瀧寺の奥深さと、途中にある寺院や見所を紹介してくれているのが、下に貼った、むさしの店前にかけられた看板。
また、三瀧寺に至るまでの坂道にも、いくつものお寺さんを見かけます。巡ってる方もいらっしゃるようですね。
それから、広島で育った子にとって懐かしいというか、「三滝」という言葉が思い出に残っているのは、むしろ、「三滝少年自然の家」の方じゃないでしょうか。
かく言う、私自身も、幼稚園の頃ですかね。人生で初めて親元を離れて、学友たちと一泊したのが、この三滝少年自然の家でした。その当時は、はるか遠くに感じられたもんです。
途中のお寺さんに育つもみじや他の木々の紅葉も見事なもんですが、やはり、いざ境内が近づいてくると、木々に野性味が増し、赤の色がはっきりと鮮やかになってきます。
当然、日のあたる所とあたらない所とで、コントラストやグラデーションができていて、それもまた、見事と言うより他ありません。
そのあたりまでは、広島駅前(南口)から出発して、八丁堀、紙屋町を通ってくる広島バス(通称赤バス)でも来ることができます。
本数は多くないですが、足腰に自信がない方はバスでこられるといいですよ。市内からはものの30分で着きます。
途中のむさしや三滝茶屋さんで休憩しながら、ゆっくり巡るのも、もちろんいいです。
さて、三瀧寺境内に到着後、最初のハイライトはなんと言っても多宝塔です。
朱塗りの塔で、木々の中にぽっかりと空いたスペースに建つその姿は、とても美しい。
青空の下であれば、息を切らして坂を上がってきても、塔の下に立つと、何だかふぅっと、息をするのを忘れるほどです。
どうやら写真スポットになっているようで、数多くの年配のアマチュアカメラマンの方が、じっくりと風のそよぎが終わるタイミングを待ってらっしゃいました。
季節柄、もみじの赤だけでなく、黄金色のイチョウ、空の青、残る緑葉と、さまざまな色の共鳴が、なんとも言えず、きらびやかでしたね。まさに「多宝」塔。
是非、下の写真たちも拡大して見てやってください。
さて、そんな多宝塔で始まった三滝半日旅行ですが、このときの多宝塔での高揚感が、思わぬ方向に私を向かわせます。三滝は奥が深い場所です。
そんな三滝、冒険編を、次回はお届けしようと思います。
広島の郊外 : 三滝(1)・広島の郊外 : 三滝(2)・広島の郊外 : 三滝(3)
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