出汐町、と言われてピンとくる人がどれぐらいおるかは分かりませんが、皆実高校の所よ、と言えば、あぁ、あそこか、と言う人は多いんじゃないでしょうか。
出汐町交差点は、広島駅前(南口)から段原を抜けて、宇品(広島港)に向かって南北に走る通りと、広島市内から黄金山や海田(海田市)側に抜けていく国道二号線との交差点で、広島の中でも交通量が多く、非常に重要な交差点の一つです。
出汐の交差点から見ると、北東ブロックに広島大学(広大病院、広大医学部等)が、時計回りに南東には先述の皆実高校と広島県立工業高校が、南西には進徳高校があって、北西は比治山です。
もっと言うと、二号線を数百メートル東に行けば比治山女子中・高校ですから、まさに学業盛んな土地柄、ということになります。
京橋川を超えてしばらく行くと、千田町の広大跡地がある訳ですが、あちらに比べると、やはり比治山を越えているせいか、あるいは区画整理の行き届いた街並みのせいか、やけにゆったりした印象を受けるエリアです。
場所柄、決して便利ではないため、中学生・高校生・大学生と自転車通学の人が多く、夕方になると連れ立って自転車が通っていく姿をよく見ます。
のんびりと、友人とふざけ合いながら夕暮れの家路についていく姿は、何とも懐かしいものです。
段原側への道のりにはもちろん自転車専用路が設けられています。
再開発が急ピッチで進む段原から猿侯川に至る風景は出汐の辺りの景色をどう変えていくでしょうね。
結構良くなるんじゃないですか。結構家族連れも移り住むでしょうしね。
あとは交通手段でしょうねぇ。
バスはソコソコありますが、南区役所前まで出て広電の宇品線(皆実線)というのは、ちょっと距離がありますしね。
ちゃんと交通手段さえ作れば、舟入あたりと市内への距離は変わらないですから。
(左:自転車で家路に着く生徒。右:自転車優先路の設けられた歩道)
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しかし、右に黄金山、左に比治山、というこの場所に学校が集まるのは分かるような気がしますね。
ちょっと味気ない街並みではありますが、なんと言うか、豊かに育ちそうなイメージはある。
己斐の山にも学校は多いですが、文字通り山の手過ぎるし、出汐からもうちょっと南に行くと広大付属高校もありますが、そちらはちょっと下町風情。
たぶん、段原の再開発地域にも、この辺りの学校に行こうか、って小学生ぐらいのお子さんを持たれているご家庭が移り住むケースが増えるんじゃないでしょうかね。
ちょっと市内への交通悪くても、子供のために、的な。
個人的には、出汐交差点北西にある県営アパートのかもし出す空気が、何とも言えず、好きです。
妙に高いの建てたりしないで、比治山のふもとに、門番の様にある姿が案外この出汐の街の空気を作っているのかも知れません。
ここに高い、現代的なマンション作っちゃダメですよね。
(左:皆実高校の向こう側には綺麗な形の黄金山が見える。右:県営アパート、奥にのぞいているのが比治山)
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余談を一つ。高校サッカーなんかでいつもいいところまで行ったりする皆実高校なんですが、奥田民生の出身校でもあります。
彼のキャラクターは、何となくこの出汐って街とリンクしているような気がするのは私だけでしょうか。
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