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広島の街 : 江波(2)


広島の街 : 江波(1) へ

江波山からものの5分あまり、広電の車庫を包み込むようにぽっかりと盛り上がった丘が江波皿山です。まぁ、名前から想像するとおり、山というよりは、お椀をひっくり返したみたいにてっぺんが平らで、頂上ってか、てっぺんです。

大通(舟入通り)からてっぺんまででも歩いて10分ぐらいでしょうかね。
その割には自然が豊かでちょっとした散歩にはもってこいです。

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(皿山を登った場所にある江波皿山公園)
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(小さな山ながらも結構自然が残っている。夏になれば蝉だらけ)
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この皿山はてっぺんまで登っちゃうと木々に隠れるのが残念ですが、中腹からは市内が一望できます。
眼下には江波の街並みと広電車庫が。少し先に行くと舟入があって、その先には紙屋町やら市役所前やら八丁堀辺りの高いビルが見えて、目線を写せば流れる川とその先の黄金山が。そして取り囲む様に伸びる広島高速と、ぐるりと見渡す事ができるわけです。

比治山からの景色や己斐の山々からの景色も美しいですが、江波皿山からの景色も中々です。
また反対側の瀬戸内海の風景も近くに見えるので、それもいいですね。先日行った際も、青々とした安芸の子富士が美しかったです。風があまり強くない日だといいですね。これから先の時期は夕方登ると夕凪でちょうどいいかもしれません。時折海風が吹くぐらい。ちょっと暑いでしょうけどね。
車じゃなくて、歩いて登った方がやっぱりいい。皿山のふもとまでは広電に揺られて行ってください。

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(皿山から望む市内と安芸の子富士)
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(クレーンが連なる瀬戸内の風景と、車庫に向かう広電車両)
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皿山のふもと、車庫周辺の景色は、なんと言うか実に広島らしい風景です。
お好み屋さんがいっぱいあってね。広電が通って、江波中学校の生徒なんかが自転車で登下校していて、あぁ美しい街並みだなって思います。

江波中学の裏側、天満川沿いにあるのが、有名な広島商業高校、つまり「ヒロショー」ですね。
夏の甲子園での優勝回数6回。春の広陵、夏の広商と呼ばれたりなんかもする強豪校で、その歴史も100年以上あり、たっちゃんの愛称で親しまれている達川もとカープ選手の他、現役では岩本選手がヒロショーの出身です。
個人的な話で恐縮ですが、私の祖父も、戦前のヒロショー野球部出身です。マネージャーでしたけどね。

甲子園にヒロショーが出ていると、母校でもないのについつい応援してしまう、っていう広島の人、結構おるんじゃないでしょうかね?
特に年配の方に多いように思いますが、カープを応援するのと同じように、ヒロショーを応援するって人がいる様な気がします。

そんな訳で江波も夕方になると下校する生徒や、部活動の声が響く街になります。
さらに広電江波電停の裏にはスーパーもあって、ちょっとした賑わいを街が見せる時間帯ですね。それでもお隣の舟入なんかに比べると、通り道にする人達が少ないから、何か落ち着いた街の夕暮れです。
今の季節だと本川の河川敷に夕涼みに行くお年寄りの風景も見えますね。犬の散歩がてら、なんて人もいる。

舟入通りのあたりは通りも歩道も広くて、車通りはそこまで無いんで歩きやすいですね。
ちょっと路地に入って行くとボール遊びしてる子供たちもいたり、その中をチャリンチャリンとベルを鳴らしながら自転車が通っていく。そんな街です。

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(舟入通りの車通りも江波辺りになるとようやく減ってくる。江波中学校の前を横切る広電)
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(これこそが私にとっての広島の風景。もう夕暮れになると街がより賑わう)
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この美しい街並みは、やっぱり昭和後期の開発の波をあまり受けてないってのが大きいんでしょうね。手前のだだっ広い舟入が吸収してくれたのか、大きなマンションの数が少なく、また市内から遠い分、オフィスビルなんてものは当然無い。灰色のコンクリートビルがほとんど無い。
電車が通り、バスの本数が多く、交通の便が悪くない割には、開発された印象をあまり持ちません。
それでいて寂れてる訳じゃないですしね。

あとはやっぱり川や海に三方を囲まれて、小さいながらも山があるっていう自然でしょうね。どこと無く開放的な雰囲気が街にあって、学生が多いことがより一層そんなイメージを強めてくれます。
皆実高校のある出汐町も近いですが、海が近く、通過する人が少ない分、江波の方が一層大らかで、落ち着いた空気を漂わせてくれます。

ただね、江波の魅力はこれだけじゃないんです。
確かに広電江波電停を中心とした舟入通り周辺もこの街の魅力ですが、実はもう一つこの街には別の表情があるんです。その街並みもまた、私の胸を打って止まない風景です。

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(本川の夕暮れ)

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広島の街 : 江波(1)


広電の端っこ。広島駅、宮島口、白島、宇品、横川、そして江波。

江波?

この中では白島と並んで、はて?何故そこに?と言う場所なのかも知れません。

江波と言うのは天満川と本川に挟まれた場所で、天満川の対岸は観音、本川の対岸が吉島になります。
その中でも広電さんが選ばれたのは江波。これは戦前の江波や舟入の活況が大きく影響したわけですが、同時に江波には気象台とか、公の施設があったこともあったんじゃないでしょうかね。

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(広電の終点の先にある車庫)

江波と言うのは、江波山と江波皿山という、半ば瀬戸内海に突き出た山を中心とした、長いこと遠浅の海岸地域でした。江戸時代に入って埋め立てが進んだ後には、所謂、漁村になったですよね。「舟入」という地名が江波よりも内陸にあることからも、「江波」と名の着く場所がどういった風景だったかは想像に固くないでしょう。
明治に入って本格的に埋め立てられてからは、かき打ちなんかで栄えたみたいです。今でも通りにその栄華の名残を残しています。

今でも漁村的な空気を存分に残した街ですよね。
私のすごく好きな広島の、そして瀬戸内の街です。路地が入り巡ってて、お好み焼き屋がたくさんあって、広電の音が響いて。川沿いに出れば安芸の子富士が望め、小高い江波山に登れば瀬戸内の風景が望める。
なんと言うか、昭和時代の面影をいい意味で残した街の一つです。

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(本川沿いに望む瀬戸内海と安芸の子富士。そして脇にあるかき打ち通り。作りかけの広島高速が目に毒)
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一回じゃ勿体ないんで、江波は数回にわたって取り上げたいと思います。

街並みは後にとっておきましょうか。
まずは江波山から。

山って言っても実際には丘も無い程度。下から望めば頂上は直ぐそこです。
江波山のてっぺんには旧気象台があって、被爆建物の一つなんですが、現在の正式名称を「広島市江波山気象館」と言います。まぁ博物館ですね。
昭和10年に国泰寺から江波に気象台が移ってから50年余り、昭和62年に上八丁堀にある広島合同庁舎へ移転するまで、ここが広島地方気象台でした。その間に被爆も経験した訳です。
『空白の天気図』(柳田邦男)の舞台でもあります。

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建物はモダンな昭和初期建築。もちろん鉄筋コンクリート製で、どこと無く本通りのアンデルセンや大手町の日本銀行、なんかとも通じる空気があって、産業会館(現原爆ドーム)も残っていれば同じ様な雰囲気だったろうと思います。
博物館として休日もやってますから、是非訪れてみてください。

広電の江波電停からてくてく歩いて、江波山に登ってく途中にトンネルが目に入ると思います。その先は小学校と三菱重工さんの工場があるぐらいなんですが、このトンネルが私は好きですねぇ。なぜか。
なんだか幼い頃の好奇心にも似たワクワク感を持たせてくれるトンネルですよ。比治山トンネルとは大違い(笑)。

緑に包まれた、何だか違う場所に運んでくれそうなトンネルです。その先は直ぐに海なんですけどね。
風の向きによってはもうその辺りは汐の匂いがしますよ。本川沿いに出ればもちろんです。そうそう。この辺りはまだヨモギも結構道端に生えててね。何だか懐かしい風景です。
昔は市内中心部でも結構見かけたんですけどねぇ。最近はてんで見なくなりましたから。

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(江波山のトンネル。そしてふもとから見た江波山の気象館。道端に伸びるヨモギ)
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江波山から見る瀬戸内の景色は何だかぼんやりおっとりとした色合いで、風が気持ちいいです。
木々が生えすぎててちょっと見えづらいですが、宇品で行われる広島みなと夢花火大会を見るにもいい場所かも知れないです。(入れるのかな。ちょっと分かんないですが)
市内側を望む景色としては江波皿山からの方がいいですが、それはまた次回。

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広島の街 : 寺町


空鞘橋(そらざやばし)という一風変わった名前の橋を渡って本川の西岸に行くと、寺町という街が広がります。
本川の東岸には中央公園と広島城。ちょうど、本川と天満川の分岐点から十日市方面に広がる街です。

紙屋町方面から広電に乗れば十日市の交差点をぐるっと右手に周り、寺町、別院前という電停が横川の前に続きます。
寺町電停が実際には寺町の南端よりもやや南寄りにあり、別院前の方が寺町の中心よりやや北にある、という中途半端な感じですが、ともあれ、その名の通り、「寺の街」です。

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広島は市内にあまり寺がありません。
広島自体は特に室町時代以降、安芸門徒と呼ばれる保守的な浄土真宗が栄えてきた土地柄ですが、その割には寺が少ない。それはもちろん、原爆で吹っ飛んだからですが、この寺町だけは、今でも寺が密集して存在しています。
寺町の電停を挟んでお向かいの広瀬町には、広島市の総鎮守である廣瀬神社もあり、この中州の先端はありがたい地域でもあります。

寺町は場所柄、今では考え付かないほどの一等地だったと言えるでしょう。
特に戦前にかけては、広島城を本川(当時の太田川)を対岸に、南には当時最も栄えていた西国海道、今で言う本川町があり、さらに今の平和公園を越えて南側には繁華街であった中島町が、また天満川を渡った北側には横川があり、市街地が東に移動する前には、まさに要所にあった訳です。

そんな寺町も、今では市街地の外れのひっそりとした寺の街。
特に本川沿いから望むと、何だか市街地から別世界に紛れ込んだ様な印象すら受ける場所です。

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(本川沿いの遊歩道とそこから寺町に続く道)
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この辺りはさすがに民家も少なく、代わりに幼稚園がいっぱいあります。
お寺さんってのは幼稚園を併設することが多いですからね。
天満川の向こう側の中広あたりに住む子供達が多いそうです。十日市あたりに住む裕福な家の子供達は案外少ないんだ、と聞きました。
なるほど、確かにバンの様な幼稚園バスが朝夕子供たちを連れて天満川を越えていくのが見えます。

寺町の中心は別院前電停に程近い、寺町4丁目交差点と、そのもう一つ南にある寺町5丁目交差点。中心と言っても別にお店があるわけではなく、立派なお寺さんがあるってだけですが、まぁ寺町ですから。
特に晴れてる日とかだと、線香の香りが街中に漂っていて、失礼を承知で言えば散歩していても何だか別世界。夏は暑くてやってられないでしょうから、春秋が散歩には適してるんじゃないでしょうか。
いるんだか知りませんが、初秋にコオロギの音でも聞きながら散歩できるといいですね。

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(寺町4丁目から5丁目にかけて)
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寺町の北側に向かって4丁目から登っていけば、仏具屋さんが並び、やがて生まれたばかりの天満川に架かる横川橋が見えてきます。
横川橋を超えればもちろん横川本通りですから、またまぁ俗っぽい街につながっていくもんです。
全国津々浦々、寺町ってのは案外そんなもんですが。

広島には「仏壇通り」という名前の通りがあって、それは寺町ではなく、なんと西日本随一の繁華街、「流川」の中心を走っています。
これも不思議な話ですがね。本当に仏壇屋さんが数件並んでいて、昔はもっとあったそうです。
そちらの仏壇通りに比べると、こちら寺町の仏具屋さん通りは随分と静かなもんです。

私の家では寺町に親族知人の墓とかが無かったもんで、あまり馴染みの無い街ですが、近くの猫屋町にあったもんですから、夏には墓参りに行きました。ほら、6日とか、お盆とか、茹だる様な暑さですよ。
その後で連れて行ってもらっていた高木の宇治金時の美味い事美味い事。

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(仏具屋さんの並ぶ通り。橋を越えればそこは横川)
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話がすっかりそれましたが、市内から寺町に行くには相生橋を渡って、本川沿いを川の流れに逆らって進み、寺の鐘が見えたら適当な道を左に折れればたどり着きます。
市電なら別院前が便利です。別院前電停を過ぎた広電は、新横川橋を渡って、横川一丁目、そして終点横川へと続いていきます。

暑い夏に行こうか、っていう人は是非朝方に。
十日市にある和菓子屋「高木」さんまでは寺町から歩くと結構あります。(15分ほど)

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広島の街 : 平和公園と原爆ドーム


言わずもがな、広島におる人にとっては避けて通れない負の遺産。
広島とそこにおった人は何も(特別に)悪くないにもかかわらず、背負わされた十字架、そして世界遺産。それが原爆ドームであり、相生橋の南側、元安川と本川の間に広がる平和公園です。

正直、語るだけの言葉を持たず、このウェブサイトでも避けてきたようなところもあるのですが、誤解を承知で、「今の原爆ドーム」を取り上げてみたいと思います。

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ガイドブックの表紙には必ず登場する原爆ドーム。風雨に晒されながらも広島の街のほぼ中心で、旧市民球場のお向かいで、路面電車の走る音を聞きながら立ち続けるレンガ造りの建物。
そして原爆ドームから元安川を挟んで対岸に広がる平和公園。
広島駅からだと広電で十五分あまりの場所に、それらは在ります。

とても一度には語りきれない歴史と、戦争の悲劇と平和の象徴であると言う点を別にすれば、現在の広島において平和公園と原爆ドームに見出せる意味は、案外二つだけなのかも知れないです。

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一つは観光資源であること。
これは言うまでも無く、宮島と並んで広島にある世界遺産たる原爆ドームは毎年多くの観光客を集客しています。修学旅行生と海外からの旅行者が特に顕著で、国内旅行者を惹きつけているという声はあまり聞きませんね。
市内の中心部にあることもあって、観光で広島に来たのに原爆ドームには行かなかった、という人はごく稀でしょう。無論、戦争と平和を考える上でも大きな意味を持つのでしょうが、同時に集客施設としての意味も大きい。

ただ、これは実に皮肉な逆説で、特に江戸時代以降常に栄え続けてきた広島と言う街に、その他の観光施設が残らなかった、とも言えるからです。原爆が全部、ふっ飛ばしてしまった。
残っていれば、原爆が無ければ金沢なんかにも負けず劣らず近代遺産が、或いは江戸時代の風景が残る街だったことは想像に難くありません。
残念ながら市内には一つ残らず、と言っていいほど残っていない。アンデルセンなど、ごく一部の建物だけでしょうね。

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もう一つあるのは、市民生活に対する緑地提供という側面です。
広島市ほどの人口密度の中で、平和大通も含め、市内の中心地にこれだけの緑地が維持される、と言うのはやはりその施設の持つ意味合いのお陰である、と考えざるを得ない。
実際、平和公園の傍は緑に溢れ、元安川沿いのカフェ何かも盛況です。

それからこの位置に緑地がまとまって確保されたため、かえって他の市街地(大手町・紙屋町・本通り・八丁堀・袋町・流川あたり)には緑地が極端に少ない。
よく言えば街のメリハリが維持されている、ということになるでしょう。

実際、原爆が落ちるまで、この辺りは中島町なんて呼ばれて、市内の中心地、今の中の棚あたりに近い役割を持った街でしたから、その機能がそのまま東側に移動した、とも言える。
移動と言っても原爆後の更地ですから、街の作りも計画的で、車の通れない路地みたいなのも殆ど無い。前述の様に公園も無い。
広島が車社会になっている一因はこの辺りにもあるんじゃないでしょうか。

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(原爆ドームと目と鼻の先にあるオープンカフェ)
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全体を通してみると、原爆ドームを残して、広島の建物は、ほぼ壊滅した。
その後、良い悪いは別にして街は計画的に作られ、原爆ドームは代わりに集客を担う「歴史的」施設になった、ということになるんでしょうが、まぁそこまで割り切って言えるかどうかは別問題です。

あくまで個人的な心象とすれば、平和公園のすぐ傍で生まれ育った身とすれば、良い意味でこの「歴史的」出来事は、既に風化しています。
平和公園は公園であり、原爆ドームは観光施設であり、原爆投下は街を近代化し、一方で古いものはぶっ壊れ、美しかった広島の近代の街並みを私達は見ることは出来ず、そんな訳で原爆投下をアイデンティティーにする訳にもいかないから、(宮島は遠いし)カープと広島弁がアイデンティティーになる。
極論を言えば、奥田民生が好き、と言うのは皮肉に生まれた広島のアイデンティティーな訳だし、そう思えるほどに、既に原爆投下は風化しています。
ただ、悪い事じゃない。いつまでも十字架背負って歩く訳にはいかないですからね。

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(フラワーフェスティバルの際の平和公園)
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平和公園で花見もやれば、フラワーフェスティバルもやる。元安川沿いでストリートミュージシャンが歌い、市民が犬の散歩をしてる脇を修学旅行生がゾロゾロ歩く。それでいいじゃないですか。
でもね。思うんです。全部吹っ飛ばされた広島でも、今の街はとても美しい街ですよ、と。
路面電車がガタゴト通り、小気味良い広島弁がお好み焼きの匂いと共に街角を賑わし、野球の試合がある日にはユニフォーム姿がゾロゾロ街を歩く。広島に来た人にも、そんな今の街をもっと見て欲しいなぁ、と。

都市名で本を検索してみてください。
広島ほどの街なのに、街を紹介した本はとっても少ない。原爆関連の本に比べると何十分の一ぐらいでしょう。
それじゃあ、ちょっと悲しい。

ここで取り上げた見方には賛否両論あるとは思います。
歴史は歴史として捉えていきながらも、囚われることなく、もうちょっと今の広島の街を良くして、紹介していきたいな、と言うのがつまるところ、です。
美しい街並みと人を吹っ飛ばしたことには腹が立って仕方ないですが、せっかくまた、美しい街になってるんですから。ほら。ねぇ。

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広島の街 : 吉島


広島駅の南口から伸びる駅前通りをずっと辿っていくと、やがて元安川にかかる南大橋という橋を越えて吉島の街に出ます。
吉島公園の脇をぬけてやがて吉島通りと合流するわけです。
吉島通りは吉島町、吉島東、吉島西、吉島新町と辿って、最終的には広島高速の吉島インターを横目に南吉島、そして瀬戸内海へとつながります。

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(元安川にかかる南大橋と駅前通り)
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(人気の元安川沿いには巨大なマンションが立っている。奥は吉島中学校)
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吉島ってのは南北に長いエリアで、元安川と本川に囲まれた”島”の南半分はほとんど吉島、と括られることが多いエリアになります。
しかし当然、その景色は南北で結構異なり、マンションの並ぶ北側に比べれば、東西吉島は一軒家がかなり多いし、南吉島まで行くと工場ばかりになります。
広島で育った人なら、一度は「三島食品」さんに社会課(工場)見学に行ったことがありませんか?
あのふりかけの「三島食品」さんは南吉島の最南端にあります。

吉島の特徴を挙げるならば、一つは交通の便。
駅前通りに広島高速と、昨今の広島でカギになる大通が市内から伸びていて、吉島通りは真っ直ぐ北に上れば平和公園。まさに便利な土地柄。
一方で、何故かこの元安川と本川に囲まれた”島”には全く広電(路面電車)が通っておらず、当然、バスが交通の主体。
吉島通りを走るバスの本数は広島でも有数の多さですし、この辺りのマンションには大概、十分な数の駐車場が作られているのが特徴です。
市内からだと最も近い車社会の街と言えるかも知れない。なわけで、家族づれが必然的に多くなります。舟入辺りと比べてもマンションの間取りが全然違いますね。
ちなみに舟入は本川を挟んで対岸の街です。

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(駐車場の十分に整備されたマンションやアパート)
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一方で特に吉島新町あたりでは広電が走らなかった事などもあって、大規模な再開発を免れ、戦前からの曲がりくねった路地や小さな民家が立ち並ぶのも一つの特徴でしょう。
古い神社やコインランドリー、銭湯、タバコ屋さんや酒屋さんなど、細々とではありますが、営業を続けている店が数多く残っています。
その住人の数や店の数に比べれば飲食店が少ないのは、やはり市内へのアクセスの良さからでしょうか。

広島高速ができたことで、今後郊外へ車で買出しに行く人も多いでしょうから、こういった小さな商店がどれだけ残ってくれるかは分からないですが、吉島西とかでも未だにアスファルト舗装されていない路地なんかもあったりして、結構古い風景が残っています。
皆実町あたりと雰囲気が異なるのは、新陳代謝が吉島の方が活発だからじゃないでしょうかね。何となく、そんな気がします。

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(コインランドリーや銭湯のある風景。この日は日曜日で閉まっている店が大半だった)
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(古いアパートや民家の並ぶ路地風景)
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それともう一つ吉島と聞いて思い浮かべる人が多いのは、やはり吉島刑務所(広島刑務所)じゃないでしょうか。
その歴史は古く、130年あまり前。日本でも五番目の規模を誇る刑務所で、原爆投下によって多くの被爆者を出してしまうなど、悲しい歴史も多く、何よりも”仁義無き戦い”のお陰で一躍有名になってしまった刑務所です。
まぁ住民の皆さんにとってはいい迷惑なんでしょうが、私自身も吉島というと刑務所のイメージが強いのは強いですね。

場所的には吉島西の外れの辺りにあって、吉島新町辺りに行くと全くその雰囲気はないですし、高塀の傍も県営のアパートなんかが立ち並んでいて、普通に居住地域になっています。
なぜかその昔、親に連れられ、塀の前で車を止めて何かを話した記憶があります。
入っていた知人もいなかった筈で、何を話したかはさっぱり覚えていないんですけどね。

先日久々に行ったらそれは驚くほどの快晴の日で、周囲の生活感と相まって、何だか不思議な光景だなぁ、と思いました。
脇は本川の土手だし、通りを挟んで近くに公園があったりして。

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(広島刑務所の外塀。広島の人は吉島刑務所と呼ぶ事が多いかもしれません)
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(刑務所の傍のアパートと公園)
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広島高速もできましたし、これからの吉島は楽しみでもありますね。
これといって娯楽施設の無い吉島ですが、これまでの「住む場所」としての吉島から、「行く場所」としての吉島に転換していくかもしれないし、少し庶民的な町並みがかえって「住む場所」としての人気を呼ぶかも知れない。

宇品のベイシティあたりへのアクセスも良いし、千田の広大跡地も含めて、近隣の開発が少なからず影響してきそうですね。

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広島の街 : 宇品西(出島)


【シリーズ・変わりゆく広島駅東側の風景】が続きましたが、ちょっと気分を変えて市街地の南側に行きましょう。
ちょうど、段原や駅南北の再開発だ何だと言ってますが、再開発の流れの先頭を切ったのが、宇品西です。

宇品西と言われてもなんだかピンとこないですよね。
出島、と言われた方がしっくりくる。かつて倉庫街だったエリアの再開発が本格化したのは五年余り前ですかね。京橋川を越えて千田とつながる宇品橋なる橋ができて、一気に景色が変わりました。

最初に出来たのはベイシティ宇品ですかね。
市内からだと橋を渡って直ぐ右手にある辺りです。
同じ頃宇品港そのものも整備が始まって、大型ショッピングセンターやホームセンターが立ち並び、何だか知ってる出島の風景じゃなくなった。
それからは早かったですね。宇品につながる通りの両側に大きなお店が出来て、マンションが立ち並んだ。
今じゃあほとんど、当初の計画としては完成に近いのかな。

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(宇品橋を下っていくと出島エリアへ。渡って直ぐ右手にあるベイシティ宇品右手にある)
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この宇品筋の通りの両側だけがどうしちゃったのよ?という人気エリアになったわけですが、確かに食べ物屋さんやスーパーなど、別にこだわらなければ何でも揃ってるし、まさか宇品から船に乗って出勤する方はほとんどいないでしょうが、バスに乗れば紙屋町までも二十分ほどで便利と言えば便利。
かつて段原が目指していた位置づけに近いんじゃないでしょうかね。
ちょうど比治山トンネルが出来たように宇品橋ができて。

でもね、あの宇品橋。名前はともかく中々いいものをつくったと思いますよ。
じゃあ御幸橋が寂れたか、って言うと、むしろあそこは市内でも渋滞の酷い場所の一つでしたし、むしろ宇品方面に住む人も増えて、適度な交通量って感じになりましたしね。
市内から宇品への移動もすこぶるスムーズになったし、結構観音や舟入あたりから宇品のホームセンターに買い物に行く人も多いでしょう。
見た目が何となく未来的なのは好き嫌いあるでしょうが、都市交通としては秀逸だったと思います。

歩いて橋に登ると、安芸の子富士が実に美しく見えますね。
まぁ御幸橋からの景色の方が素晴らしいけれども、宇品橋も悪くは無い。
黄金山や己斐の山、市内も一望できるし、一度歩いて渡ってみて欲しい橋ではあります。

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(吉島・江波方面の街並みと安芸の子富士)
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しかし、この出島エリア、私が好きなのはもう一つ理由があるんです。
それはその新興マンションが並ぶ直ぐ裏手に、相も変わらない宇品御幸の風景があるからです。
夕暮れになると未来的なマンションの影が落ちる直ぐ目と鼻の先に広がる庶民的な家並み。
このギャップが何処となく親しみやすい感じをつなぎとめているんじゃないでしょうか。

実はベイシティからでも普通の家並みを抜けて、広電の走る電車通り、つまり昔の宇品筋まで十分ほどなんです。
そのあたりも前々からアパートの結構並ぶエリアだったんですが、何だか歩いている人の服装とか、間にバス通りを一本挟んで、ものの十分でこんなに変わるかね、と思いますよ。

そうそう、宇品二丁目とか三丁目の電停といったら、車との距離が極端に短くてね。それでいて結構車が通るもんだから、待ってると恐かった。
先日久々に行ったら昔より恐さを感じなくなったのは、ホームが少し広くなったのか、車どおりが減ったのか、理由は分かりませんけれど、皆実町六丁目以降の宇品線の電停は似たり寄ったりですね。傘を差したまま電車を待つには勇気がいる感じです。
なぜかこの辺りはうどん屋さんとか、中華料理屋さんとかが点在してたイメージですねぇ。
どこの電停で下りても、目の前に中華料理屋さんがあった様な気がする。

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(新しい街の風景)
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(古い街の風景)
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(古い街の先の電車通り。ほら、中華料理屋さんが!)
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出島から元宇品にかけては、賛否はあるかも知れませんが、それなりに人が住んでいて、活気があって、開発としては成功と言っていいんじゃないでしょうかね。
例えば観音なんかと比べても、宇品御幸という元々住んでいた人が多い背骨があったからというのもありますが、うまくいってる気がします。(住みたいと思うかは別)
子供の姿が多いから明るく見えるってのもあるんでしょうけどね。

今はまだ未来的なマンションの立ち並ぶ通り、という感じもある宇品西。
これからある程度の年月をかけて、この「通り」も「街」らしくなっていくんでしょうね。


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広島の街 : 小網町


いつかの活気が失われて、人影が少なくなっても、変わらない路面電車の音と、夕暮れの風景が在る街。
小網町は紙屋町から広電で10分あまり。広電が吉島線と別れて西広島に向かう、最初の駅がある街です。

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天満川沿いに位置する小網町は、かつては中心部への入口として栄えました。
特に戦前は、市内の中心部が今よりもずっと西寄り、だいたい紙屋町から現在の平和公園あたりを通って中島町あたりまででしたから、まさに西の入口だった訳です。

今でも、天満橋を越えて広電がなだらかな下り坂を滑りながら市内方面に向かう姿は、何処となく街へと向かう高揚感を感じさせますし、また逆に天満町側へと向かう姿には、帰路を思わせる空気が漂います。

以前、「広島の風景:七つの川」でも触れましたが、太田川放水路がなかった当時は、特にこの天満川が、東の京橋川同様、市街地とその外とを心理的に分けていたんだと思います。
戦前の広島の映像なんかを見ていると、この天満川を越えて小網町に入っていく人々の高揚する姿をよく見ることがありますね。

と、同時にこの小網町は市街地の中の下町でもありました。これはお隣の土橋あたりもそうですが、路地が入りくって、町工場が並び、庶民が暮らす、そんな街でもあった訳です。
十日市町まで行くと、少し毛色が変わってくる。もっとも、それらは全て吹き飛んでしまいましたが。

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(天満橋を超えて市内に入る広電と、十日市町から九十度カーブして天満橋に向かってくる広電)
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(天満橋より西広島方面を望む)
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天満橋と言うのは、広島市内でも唯一となった「路面電車専用橋」で、車両の渡れる天満橋はそこから100メートルほど北にもう一つあります。こちらは味気無い橋なんですが、おそらく元々の西国街道はそちらの方に近かったのでは、と思います。
己斐の山まで続いている事もあってか、それなりに車通りは多いです。

平和大通には小網町交差点と言う、結構大きな交差点があるんですが、こっちは小網町、という風情は無いですね。まぁ、平和大通自体が戦後作られたものですし、そこを渡って舟入に行くと、マンションの立ち並ぶ風景に一転します。
小網町にはその立地を考えると、驚くほど新しく、大きなマンションが無いですね。
逆に言えば、そういった建築と相容れない小網町の風景に対するイメージが、それだけ広島市民の中で強いのかもしれません。

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(車両専用の天満橋と、平和大通小網町交差点を横切る広電)
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私が個人的に抱いてきた小網町のイメージは、と言うと、なぜか「電線」なんですよね。
不思議です。なんででしょう。広電の電源線もあるんでしょうが、むしろ電柱とセットでの電線のイメージが強い。

もう少し上の世代の方だったら、活気ある小網町の風情を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思うのですが、私が物心ついた頃には、もうそういった雰囲気は陰っていたからかもしれないです。

夕暮れに電柱が黒く染まり、そこから濃くてちびた鉛筆で書いた様な太い電線がのびている。
一番上の写真なんかもそうですが、一本路地に入っても、まさにそんな風景。下の写真見てもらえれば分かりますが、どこでそんなに電気使ってんの?って思うぐらい、電線がクモの巣の様にのびています。

この風景、私の年代からすると、何だかすごく懐かしい風景なんです。
街に夕暮れが訪れて、電線の脇の街灯がジジっと明るくなってくる。そこに響く広電の走る音。
それが小網町の、そして私の幼い頃の風景なのかもなぁ、と思います。

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広島の街 : 段原(再開発地区)


一面の更地!
ここは何処?てか、「街」と言うのか、ここを?!

ここが、段原日出。まさに広島再開発の中心地区です。
見渡す限りの土、ぽつんと重機、あとは空。

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壮観な景色です。市内の中心部で、この更地具合。
広島でも過去に色々な(再)開発がありましたが、こんなのは見たことが無いですね。
宇品も結構な規模だったけど、一斉じゃなかったこともあって、こんな風景じゃなかったですから。

以前、段原の街は取り上げましたが、そちらが比治山下の段原中央だったのに対して、ここは数百メートルほど東に移動した、猿侯川沿いの段原日出町の風景になります。

広島の再開発は広島駅の新幹線口に始まり、若草町、蟹屋町とマツダスタジアム、そして猿候川に架かる平和橋を渡ったこの段原に至ります。

のんびりとした猿候川の流れの傍に、砂埃舞う一面の更地。
ここ、どぅなるん??って言うのが素直な感想でしょうか・・・

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元々この辺りは、ちょっと先の東雲や猿候川を渡って対岸の大洲同様、普通の民家や町工場、アパートなんかがクネクネ曲がった道にそってあるような地域でした。
再開発後も、宇品や広大跡地の様な巨大なマンションを建てるわけではなく、一軒家の並ぶ地域にする、とは言われていますが、どうなることやら。

住みたいか??って言われたら・・・

如何せん、交通の便が良くないですからねぇ。
バスがあるとは言え、むしろバスしかないし、比治山が間にあるから、市内までひと距離ある感じがする。
広島駅に出た所で、さらにそこから八丁堀や紙屋町へ?って感じもするし。
マツダスタジアムが近いからって毎日行くわけじゃない。

広島高速に東雲から乗っても、市内の周りをぐるりと回るだけだし、かつてこの辺りに通っていた広島宇品線という広島駅と宇品をつなぐ鉄道がありましたが、それを復活させるって訳にもいかないでしょうしね。

段原中央には結構近いんですけどね。SATYしかないし。
広島駅、マツダスタジアムと広島大学を結ぶ主要な地域である、ということは理解できるんですが、何でここを再開発するってことになったんでしょうねぇ。
結構複雑に利権が絡み合っていた様ですが。
追いかけてもいないので、真相は分かりませんが、広島の街のためになる再開発か?と聞かれたら、よく分からんですね。

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(平和橋を渡ればそこはマツダスタジアム。段原中央の交差点までは5分あまり)
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猿候川の風景は好きなんですよ。
本川みたいな市内の他の川に比べたらゆったりとしていて、太田川放水路に比べると街の風景がある。
なんか、空が広く感じる川岸の風景で、特に大洲側の風景は素晴らしい。

広島駅南口から歩いていくと、猿侯橋があって、荒神橋、大正橋、と美しい欄干・橋げたが続きます。
かつては活気があったんだろうなぁ、という的場町あたりの風景を越えて、広電と別れてしばらく行くと、この荒涼とした世界が現れます。

この街がどんな街になっていくのかは知りませんが(つまりどんな人が住むのか分からない)、今の風景は、ちょっとした見ものです。
家が建ち始める前に、是非、見に行ってみてください。

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【関連する過去ブログ】
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広島の街 : 広島駅前(新幹線口)
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広島の街 : MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

広島の風景 : 七つの川⑥ 「猿侯川」

広島のニュース : 広島駅北、二葉の里土地区画整理事業の起工式
広島のニュース : 広島駅北側再開発(シェラトンホテル広島開業)
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広島の街 : 皆実町(2)

 
皆実町と言えば、六丁目の交差点を思い浮かべる人が多いんじゃないでしょうか。
ちょうど広島電鉄宇品線の紙屋町経由線と比治山下線とが交わる場所で、御幸橋から下れば右手が宇品(広島港)、左手が広島駅前(南口)につながっていきます。

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かつてのこの交差点のイメージと言うと、三叉路と専売公社とパチンコ屋、という感じでしたでしょうか。
本当は小さい道がいっぱい走っていて、三叉路どころか六叉路ぐらいだったんだと思いますが、路面電車のイメージが強いですからね。
ゴミゴミと賑わっていて、ちょっと前の広島駅前から荒神町にかけての感じと似てると言えば似てたかもしれない。

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(左が皆実町六丁目三叉路の写真(正面が宇品方面)。右は六丁目の電停)
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ご存じの通り、かつてのっぺりとした専売公社の壁が見えた北西側にJTと猫田記念体育館ができて、さらには巨大なショッピングモールが出現し、いつの間にやら三叉路の脇のショッピングアーケードは消えうせて、パチンコ屋は新装開店したけど、エロ本屋はつぶれて、三叉路から黄金山方向に片道三車線のぶっとい道路が出来上がって、雑踏の様な賑わいは消えうせて、ついには市内中心部から宇品への最短距離も御幸橋じゃなくて宇品橋経由になって、皆実町六丁目は様変わりしました。

雑踏や賑わいは無くなったのに、六丁目を歩く人が増えたのは、やっぱりショッピングモールの集客力なんでしょうか。
でも車通りも、人の流れも変わったけれど、皆実町の雰囲気が排水溝や電柱や錆びたトタンなんかから漂ってくるのは、やっぱりそこを走る広電の音とクモの巣のように空を這った路面電車の電線のお陰かもしれません。

さて、では古くからの皆実町商店街はショッピングモールにどう対抗しているかと言うと・・・
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    出口(入口)が狭い!!笑

 

なんか、二つの世界が完全に別のものとして共存してる、という感じです。路地の多い裏通りと、巨大の並ぶ表通り。
まぁ最近は広島も何処行ってもそんな風景ばっかりですがね。それはそれで皆実町らしいと言えばらしい。

皆実町の路地は基本的に碁盤の目みたいに規則正しく直線ですが、電車通りに対しては斜めの角度で伸びているので、住民の方々以外が入っていくことがほとんどない。しかもT字交差点が多い多い。さすが三叉路の六丁目。
これらはたまたまなんでしょうが、入口は狭く、閉鎖的な街を造るにはこれ以上の方法は無いですよね。

ショッピングモールに行く機会があったら、是非電停横切って反対側の世界にも行ってみてくださいよ。
狭い入口に負けずに。もちろん徒歩で行ってくださいね。
それから基本的に住宅地なんで、まぁ住んでる人の裏庭にお邪魔させていただくような感じでね。

なんか、ここで育った子供が羨ましい、って感覚が分かっていただければ嬉しいです。
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(モールと街。ショッピングのための二つの空間)
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広島の街 : 皆実町(1)

 
広島に現在も残っている下町風情、と言うと、広島駅前(南口)から荒神町のあたりに続くエリア、横川 から十日市町を抜けて土橋あたりまでのエリアとありますが、最も街としてその姿を現代に適応させながら下町風情を残しているのは皆実町ではないでしょうか。

RIMG0253ここでは2回にわたってそんな皆実町の風景を追いかけてみたいと思います。

皆実町は京橋川に沿うようにして、一丁目から六丁目まである縦に長い町です。
大手町が一丁目・二丁目 から 三丁目・四丁目・五丁目まであるのに似ていて、商業地の大手町と違って、こちらは完全に住宅地の下町。
真中を広島電鉄宇品線が通り、広島駅と宇品(広島港)とを結ぶ主要ルートであり、また、御幸橋を挟んで市内とつながることから、特に大正時代以降は活況を呈しました。

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もちろん、軍都広島の象徴でもあったわけですが、戦後になると西に広島大学のある千田町、南にその付属高校、そして北に多くの高校を有する出汐町とに挟まれ、また市内に比べて格段に地代も安かったことから、多くの庶民がこの地に移り住みました。
専売公社(現在のJT)など、大規模な会社・工場が近隣に作られたのも大きいかったかも知れません。

マンションと言うよりはあるいは平屋の延長と呼んだ方がいいかもしれない二~四階建てのアパートがチラホラとでき、かつての小さな一軒家住民との共生が始まりました。

多くの人が、商店や工場で仕事をし、いわゆるホワイトカラーサラリーマンがあまり多く住まなかったこともあって、かえってその下町風情が醸成、保存された、と言ってもいいかもしれません。

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(いかにも、な床屋さんと平屋的な二階建てアパート)
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そんな皆実町の特徴は何といっても路地の多さ!
京橋川を挟んだこともあってか、原爆の影響が市内に比べればやや少なく、また元々の地権者(一軒家)の数が多く、戦後も大規模な開発を免れたことで、現在も無数の路地が残っています。

この路地で、子供たちが遊びに興じ、老人が立ち話をし、この街の風景が作られてきました。
今でもお姉ちゃんが妹の手を引いて歩いたり、おばぁちゃんが手押し車を押して歩いているのをおじぃちゃんが寄り添ってたり、そんなホッとする様な風景をを普通に見ることのできる場所です。
それもこれも、車の入れない路地が多くて、アスファルトの上でも安心して歩けるから。

子どもができたら、ここで育てたいなぁ、と思う数少ない街ですね。
勉強ができるようになる気はしない街ですが、きっといい子が育ちやすい街だと思います。
防災上の問題はあるんでしょうが、できる限り、この路地は残して欲しい。

 

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(皆実町の路地の風景。住民の軽自動車が通るか、通らないか)
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ただ、かつてに比べ、市内へのアクセスが良くなったりしたことや、近隣に大きなスーパーが増えたこと、傍の千田町などの開発で、全体的に商店街の活気が落ち、住民の平均年齢は上がってしまいました。

特に段原の開発は、背面を衝かれた形で、ちょっと痛かったかな。少し、車通りが増えて、道路整備が進んでしまったのが残念です。
それでも、鷹の橋なんかと比べれば、まだまだ人通りも多くて、あとは巨大なマンションとか出来ちゃわないことを願うのみですね。

夕暮れになると、買い出しに行く人や、どこからか、魚を焼く匂い、味噌汁の香り。
遠くで響く路面電車の音。

商店街は、閉まってる店もまぁありますけど、それでも夕方になったら結構多くの人が買い物をしてるんですよね。ついつい、覗いてみたくなるようなスーパーがあったりね。
何と言うか、これも一つのディープ・広島なんでしょうね。声の通りが耳に心地良い。

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(大半がシャッターを下ろしてしまった皆実中央市場)
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(でもこちらは今も元気な商店街)
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平日も、休日も、朝も、夕方も心地良い風景と音と匂いのするこういった風景は、皆実町の主に東側にあります。
広電線路を挟んだ西側には、かつて専売公社のあった場所に巨大なショッピングモールができて、皆実町のハイライトである六丁目の交差点は三叉路から十字型になって、、、

そんな風景は、また次回!
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