紙屋町から広島市民球場の前を通って、元安川と本川の分岐点に架かる相生橋を渡れば、その先が十日市町です。
紙屋町からは徒歩五分ほどですし、ちょうど広電がTの字に交わる、交通の要所でもあります。
T字の北には横川が、東には紙屋町が、南には土橋があり、各方面に向かう広電の音やバスの音が響く、重量感ある交差点が、十日市町の中心です。
交差点には下の写真にもあるように、警備用の見晴台が立ち、かつて人の往来が盛んだった頃を忍ばせます。
今では見晴台も使われなくなり、人通りもまばらになりましたが、行き交う車の多さは変わりません。
私の十日市町の記憶といえば、和菓子屋さんの高木さんでしょうか。
ちょうど、8月6日の平和記念式典が終わり、お盆に差し掛かるこの頃、土橋や寺町あたりのお墓をめぐって、最後にこの十日市の高木さんに来て、白玉ののった宇治金時を食べさせてもらうのが、幼い頃からの夏の楽しみの一つでした。
高木は最中でも有名で、昔は引き出物など冠婚葬祭の際や、お中元などでもよく見かけたものです。
高木に限らず、この辺りは実は今でも広島の隠れたグルメエリアでもあります。
むさしさんにしても、本店的位置づけの大きな一軒店が土橋との間にありますし、居酒屋、和菓子屋、ラーメン屋など、和系を中心に安くて美味い店が点在しています。
十日市町は天満川に向かって、西十日市町も含めて広がる町ですが、T字型の印象が強いのか、西側は私も未開拓エリアですね。
以前相生橋でも触れたのですが、場所柄、この辺りは本来もっともっと、人が集まってもいい場所です。
幟町あたりと比べても、広島駅へのアクセスを除けば、立地条件にあまり遜色はないですからね。
そんなに皆が広島駅を使っているとも思えないし・・・
穴場的な今の十日市も好きではあるのですが、私が子供の頃にカキ氷を食べに来た時のような、ワクワクするような街の雰囲気がまた戻ってくれば、その方がいいですね。
せっかくのポテンシャルがある街、立地。
住居と訪れる人と、商店と飲食店がしっかりと噛みあう様な、市民球場跡地利用を契機に、素敵な街に戻って欲しいです。
コメント
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