広島の風景と言って、誰もが思い浮かべるのは路面電車でしょう。
広島電鉄株式会社によって運営される市内電車は、「広電(ヒロデン)」とも「市電(市内電車)」とも、単に「電車」とも呼ばれ、広島におる人にとっては欠かせない足であり、広島に行く人にとっては懐かしい、あるいは目新しい風景であるかも知れません。
広電は路線図にあるように北は広島駅前(南口)、あるいは横川から、東は比治山、南は宇品(広島港)や江波、そして西は西広島(己斐)を超えて宮島までを結びます。(宮島が南端でもある)
紙屋町や八丁堀、本通りはもちろん、広島の街(広島の街マップ)で紹介しているほとんどの場所には、広電を使って行くことができます。
その姿は広島の写真集 : 3. 広電の走る街にも載せているので見ていただきたいのですが、実は路面電車は日本各地、至るところにあります。
広島に近い所だと愛媛の松山にもありますね。
道路の中央を走っているわけではないですが、東京・京都といった大都市にもあるし、北は札幌から南は鹿児島まで全国各地にあります。
先日NHKの放送で、とあるアナウンサーが、「へぇ、路面電車の停留所のことを”電停”って言うんですか」と言っていましたが、広島生まれ広島育ちの私にとっては、それが衝撃。
逆に駅は全部「電停」って言うもんだと思ってたぐらいです。
路面電車ってのは何だか旅情をそそられるし、私なんかは逆に路面電車のある街に出くわすと広島を思い出します。
あの、ゴトゴトと動き出す音がたまらない。決して電車好きなわけではないのですが、景色と共にあって、何だか家にでもお邪魔しているように感じるあの雰囲気は路面電車ならではですよね。
中でも私が好きなのは鹿児島の路面電車です。
鹿児島の路面電車は、何といっても線路が芝生になってる!
これは始めて見た時はビックリしましたね。いいアイデアだと思います。
広島の石畳も美しいですが、芝生というのも美しい。温暖な鹿児島ならではの発想でしょうか。
広島は坂が少ない街で、川は多いですが、路面電車を走らせるには実に適した街だと言えますよね。
規模に比べて、特に中心部は大きな道路も少ないですから、渋滞の多い自動車(バス)よりも優れていますし。
値段も基本的には大人150円(2010年11月現在)で、格安です。
なんちゃら新交通とか言う全国各地のモノレールが、初乗り三百円とか取ることを考えれば、補助金が出ているとは言え、まさに市民の足です。
おススメは西広島までJRで行って、平和大通から土橋に天満川に架かる電車専用の橋を渡ってやってきて、十日市町の三叉路に出るルートですかね。
時間が無ければ相生橋を超えて、原爆ドームを右手に、旧広島市民球場を左手に見ながら紙屋町に戻ればいいし、時間があれば横川のターミナルも立派です。
西広島からだと紙屋町も横川も三十分ぐらいです。
うたた寝しながらガタンゴトン揺られれば丁度いい距離。曲がり角も多くて、景色も結構変わるので楽しめると思います。
あぁ、降りて外から見たくなっちゃうかも。
そんな人は一日パスにしてください。
これから新しい線路が増えることはまず無いでしょうねぇ。
コストもかかりますし、アストラムラインが伸びる分とも、広電が路面増やすことはちょっと無いかも。
可能性があるとしたら、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島に行くルートですかね。
ここだけは比治山下線(皆実線)からでもちょっと距離がありますから。
貴重な財産ですよね。
増えなくても、減っちゃダメ。
その昔、駅と宇品を、今の段原のあたりを経由して結ぶ「宇品線」というこちらは国鉄の線路がありました(広電宇品船とは別物)が、それは1986年に無くなっちゃった。(旅客営業は1966年に原則廃止。貨物は1972年に廃止)
寂しいですよね。もしあのあたりを電車が通っていれば、今の再開発も、まったく違うものになってたでしょうし。
広電は、フラワーフェスティバル、宮島水中花火大会、広島みなと夢花火大会といったイベントでも、もちろん大活躍します。
その時だけの装飾も施されていたりするので、好きな人は、是非その車両を探してみてください。
その他にも、横川-江波線でレトロな車両を走らせていたり、逆にドイツから車両を輸入したり。
私は細かい性能とかは分からないので、最初の写真にあるような車両が馴染みがあって好きですけどね。
マイナーチェンジを繰り返しながら、これからもずっと残っていって欲しい。
音の出ない車両とか、うれし悲しですよ。
路面を石畳からコンクリートに変えるぐらいなら、芝生案だけは採用して欲しいんですけどねぇ。
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コメント
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