広島市内の中心部に最も近い橋はどの橋か?恐らくその答えは相生橋になるでしょう。
以前、八丁堀の時に、広島で最も有名な街の風景の一つとして幟町付近の歩道橋から撮った広電の走る八丁堀の風景(右写真)を紹介しましたが、それと双璧を成す風景が、相生橋から原爆ドームを背景に紙屋町に向かって走る 広電の風景(下写真)ということになるでしょうか。
相生橋は七つの川④ 「元安川」にもあるように、T字型の橋で、ちょうど、本川と元安川の分岐する場所にあり、特に東側は原爆ドーム、旧広島市民球場、紙屋町、広島城と続き、ここから市内に滑り込んでいく路面電車の音は、まさに街に入るときの音であり、逆にここから出て行く電車の音は、宮島など、郊外へと向かっていく遠足の音でした。
ただ、こちらをニ番としたように、近年は紙屋町よりも八丁堀の方が中心地化し、特に市民球場移転後は、相生橋付近の風景は、どちらかと言うと観光客用のものになってしまった感は否めません。
相生橋と聞いて、パッとその場所の浮かんでこない市民の方も、結構いるんじゃないでしょうか。
相生橋のT字の分岐付近に行くと、平和公園側から歩いてくる観光客の方によく出会います。相生橋から元安川越しに原爆ドームの姿を写真におさめられる方が多いようです(下)。
相生橋は西広島(己斐)や横川が栄えていた頃に比べると人通りも減ったし、交通の要所でもなくなったかも知れませんが、そんな今だからこそ、是非復権を目指したいところでもあります。
もちろんカギになるのは、市民球場跡地利用であることは周知のことですが、それに頼らない橋そのものの復権をして欲しいところ。
T字の橋、ということは色んな角度から橋を眺められるわけで、「橋オタク」なんてのがいるのかどうか分かりませんが、橋そのものにもう少し意匠を凝らして、しかもそれをじっくりと眺められるようにする。
全国の立派な橋と手を組んで、橋イベントなんてのをやってみたりするのも面白いかもしれない。
今でも休日の昼過ぎになると、相生橋を渡って市内に向かっていく人をチラホラ見かけます。
のんびりと橋を渡りながら、徐々に気持ちが高揚していくような、そんな橋になって欲しいですね。
相生橋の欄干(左) 地球儀や天体をイメージしたのか、不明な上にやや風情に欠ける。
めずらしいT字型の付け根(右) 良くも悪くもシンプルな意匠。
本川と元安川の中州にある平和記念公園へと伸びる相生橋
相生橋を渡る新型のグリーンライナー(左)と、ゆっくりと紙屋町方面に向かう人
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