製造業の中では、自動車・同附属品が19.7%(製造品出荷額等<平成18年>シェア)を占め、当県におけるマツダ系列のウェイトの大きさを示しているほか、鉄鋼14.8%など、いわゆる重厚長大業種のウェイトも大きくなっています。
実際その通りで、製造業に限らず、広島でマツダと関係なく営業している会社は非常に少ない。建設業、広告代理店、ホテル、電機メーカーを始め、飲食店に至るまで「マツダが広島に無かったら」と考えると空恐ろしい程です。
一般に自動車メーカーの競合というと、鉄道やバスなんかを思い浮かべる方もいらっしゃるかも知れませんが、広島ではJR広島駅の中にも、路面電車・広電の車体広告にも、またバスの車体広告にもマツダは多くの出資をしています。
テレビコマーシャルはもちろん、「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」もそうですし、マツダの名前を見ることなく広島で一日を過ごす事はできない、と言っても良いでしょう。
(広電の車体広告と、広島駅構内イベントスペースに置かれたMAZDAの「新世代デミオ」)
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それじゃあ、広島ではマツダ車ばかりが走っていて、マツダが会社としても大人気か?と言えば、意外にもそんなことは無い。そりゃあ昭和50年代ぐらいまでは高いシェアだったんでしょうけど、昨今で言えば、然程目立つほどでもないんじゃないでしょうか。
値下げ率が別に県内だから、と言って高くないこともあるけれど、良くも悪くも広島の経済がマツダとリンクしすぎてるんじゃないかと思います。直近で言えばバブル崩壊後の1990年代、マツダが傾いた際に、これはもう広島の経済はメチャクチャになった。そのあたりの事は前回紹介した記事(日経BP: 国内生産堅持、マツダの大義に勝算はあるか)にもありますが、良い目も見たけど、労働問題も含め、辛い思いもした、って人が多いような気がする。
万年Bクラスのカープに対する愛憎もあってでしょうね。何だか県内に置けるマツダの位置づけは微妙ですが、これは愛知におけるトヨタさんもそうなんでしょうかね。似たようなものなのかもしれない。まぁ近年のカープの弱さは特筆ものですし、「カープが弱いんじゃ!オールスターに出資しとる場合か!」とね(笑)
あとは何で広島市に入らないんだ?ってのもよく聞く議論ですよね。入ったとして何がどれだけ変わるのか分かりませんが、景気がよくなるとこの話が出てくる。現金なもんと言えば現金なもんです。
結局は広島の人にとってみると、マツダはそこに在って当たり前、マツダを育てたのは広島市民、そういう自負が強すぎるんじゃないかと思います。本当はもっともっと感謝して、大切にしなきゃならない企業のはずなのに、「むしろワシらのおかげでマツダは成り立っとるんよ」という意識が強すぎる気がします。
広島人らしいっちゃー広島人らしいですが。
個人的なマツダさんのイメージと言うと、やっぱりカープかなぁ。うちの実家は昔はマツダ車だったのに、今はトヨタ車に変えてしまいました。私は車を持っていないですが、買うならやはりマツダ車ですよね。県外に出た広島の人には結構そういう人が多いような気がします。「機能や性能の問題ではない」と。ポルシェかマツダぐらいですよ。そんなこと言われるの(笑)
ちょっとカッコつけて言うならば、広島の少年なんですよね。マツダって。ドキドキさせてくれると言うか、させられるというか。性能重視で傾いてみたり、価格破壊して自分のところが破壊寸前になったりしながら、井の中で頑張り続ける少年。なんて言ったら失礼かな。もちろん、良い意味で、です。
それにしても上の写真にあるように黄金山に抱かれ、安芸の子富士を望み、猿候川に沿って立つ本社、及び工場の美しいこと。
こういった会社が広島にある。世界に名前の通じる会社が広島にある。経済そっちのけで、それだけでやっぱり嬉しい。
マツダさんではミュージアム等の見学も可能です。
http://www.mazda.co.jp/philosophy/museum/
広島におる人、広島を訪れた人、秋晴れの日にでも、そんなマツダに是非お出かけしてみてはいかがでしょう?
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【関連する過去ブログ】
広島の会社 : マツダ - MAZDA (1)
広島の会社 : 広島電鉄株式会社
広島の街 : MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
広島の風景 : 七つの川⑥ 「猿侯川」
広島の風景 : 路面電車
広島の風景 : 安芸の子富士
広島の郊外 : 広島高速
広島の郊外 : 海田(海田市)
広島の郊外 : 黄金山
【関連する他のウェブサイト】
マツダ ウェブサイト
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