広島には有名な味噌屋さんが二社あります。
一つはご存知、ますやみそさん。広島県南部の呉市に本社があり、「母さんの味、ますやみそ~♪」というコマーシャルが耳に残る会社で、全国的にはこちらの方が有名かもしれません。
もう一つが、新庄みそさん。首都圏でも大きなスーパーに行くと手に入るこちらの御味噌は、ますやみそさんに比べると、かなり甘め。
写真は麦みそですが、より甘さの強い『白みそ』が最も有名です。
白みそというと京都を浮かべがちですが、かつてはだんごを入れた白みそベースのだんご汁京都から山口・福岡にかけて山陽道全域で親しまれていたと言われています。関東で飲まれているようなかつおだしベースの塩味の濃い味噌汁に慣れていると、少し違和感があるかもしれませんが、煮干なんかで出汁をとってやや薄めに味噌をといて作ります。広島あたりだと内陸部では山菜やマツタケをはじめとしたキノコなど山の具材と合わせて、瀬戸内だとつみれやアナゴなどと合わせて食べられたりします。
もちろん、カキとの相性も抜群。土手鍋には欠かせない味の決め手です。
新庄みそは、本社は市内西区新庄町の近く、西区三篠町にありますが、工場は広島県でも北部寄りの安芸高田市吉田町にあります。
非常に寒暖の差の激しい山間の盆地で、その気温差が味噌作りには適しているそうです。
思えば広島は山有り川有り海有りで、味噌汁の具材には事欠かない県です。だからこそ素材の良さを生かす甘めの御味噌が好まれるのかもしれません。
最近では手軽な出汁入り味噌パックに乾燥させたネギやワカメなんかがよく使われるみたいですが、これから秋ですし、マツタケやアナゴなど、たまには素材から全て広島のものにこだわった広島風だんご汁なんかはいかがでしょう?